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11日後に新刊を出す植本一子(2024/11/20)

高校生の娘が振替休日で起きなかったため、私も目が覚めることなく、中学生の娘がまんまと寝坊。遅刻に焦ることなく、いつも通り準備し、朝食をしっかりと食べ出て行った。肝が据わっている。

耳鼻科でもらった薬を飲んでいるのに体調は停滞している。午前中に区民体育館でヨガ教室があったけれど、反ワクチンの先生の前では咳もできないと思うと恐ろしく、おとなしくスキップする。もう来期の教室の募集が始まっていたので、次は別の教室に応募したい。

時間ができたので細々した作業を片っ端から片付けていく。各所に振り込み、連絡。事務所の更新が近く、火災保険の手続き。ということは天然スタジオを始めて丸12年が経ったということ。新刊の書店注文の請求書を作って印刷しておく。内税と外税がややこしく、印刷し終わって半数が間違えていることに気づき、手書きで修正してハンコを押すはめになった。出版に関する事務作業は得意なのに、数字がからむと一気に頭が鈍くなる。

外がとんでもなく寒いのが家にいてもわかるので、休みの娘と猫たちとカーペットの上でずっとゴロゴロしていた。村上春樹『アンダーグラウンド』をほぼ読み終わる。

夕飯時、同級生にひとりでドイツへ旅行に行った子がいるのだと中学生の娘が教えてくれる。その子はあまり普段活発な方ではなく、時々明るい顔を見せる、娘いわく「まるで蛍みたいな光り方」をしていたらしいのだが、それがドイツに行ってからは、性格が変わったようにピカピカと明るくなったのだと言う。入国審査で何を聞かれるか緊張していたのに、いざ行ってみたらロボットだったそう。今はもう入国審査のあの緊張感はないのか……何を聞かれても「サイトシーイング!」って答えとけ、と言われた大昔を思い出す。
「それは水が合ってたんだね、蛍だけに」と娘に言い、私ひとりで笑っていた。

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植本一子
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