植本一子
文フリへの道
朝起きて谷川俊太郎さんが亡くなられたことを知る。2度ほどお会いしたことがあるが、誰に対しても気さくな方だった印象がある。ナナロク社の村井さんが完成した『フェルメール』を献本すると、すぐに直筆の感想がお葉書で届いたと教えてくれた。あの本を出した村井さんへのご褒美であり、宝物だっただろう。お家にお邪魔してフェルメールについておしゃべりさせてもらったり、絵画が立体的に見えるおもちゃを一緒に覗いたり。2度目に歌人の岡野大嗣さんと木下龍也さんと伺った時には、私のことはすっかり忘れていた
寒い。昨日が今年の秋の大団円だった。寝る前に私の羽毛布団に娘が派手に水をこぼしてしまい、朝から近くのコインランドリーで羽毛布団を洗ってみる。毛布は家で洗うけれど、羽毛布団を洗うのは初めて。洗濯と乾燥で1000円コース。家に戻ってサンドイッチを作る。おととい買ったバゲットを半割にして、少しチンして柔らかくする。バターを塗ってロースハムとカマンベールチーズ。固くなったパンは蒸篭で蒸すと美味しいとよっちゃんが言っていたので今度やりたい。昨日茹でておいたひよこ豆でフムスも作る。ひよこ
正午から出張撮影で某神社へ。待ち合わせの30分前に着き、境内をチェック。今日も出張カメラマンの姿がちらほら。初めて行く神社で結構な広さがある。お客さんを待つ間、神社の名前と七五三、撮影で検索すると、いろんな出張撮影のサンプルが出てくるので、見本にチェックするのだけど、ひとり、ものすごく上手なカメラマンの人を発見する。本の編集出身でプロカメラマンとして独立してまだ数年の方だった。レタッチもきれい。勉強させていただく。 秋のような気温で、汗をかきながら1時間ほどで終了。近くにけ
日記を書き始めると、日々過ごしている中で、今日はこのことを書こうかな、とか、その時考えたことを実際にスマホにメモを取ったりするのだけど、今日はそんなことを考えたりする暇もなく1日が過ぎ去った。 午前から2件撮影。13時に終わり、その足で豪徳寺のハッカニブンノイチさんへ。DMでお願いしておいたお祝いの花をピックアップ。おまかせしますと言いつつ、白と緑でシックな感じで、と超具体的なオーダーをしている自分。つまり自分好みのものを渡したいのだ。とっても素敵に作ってくださり嬉しい。ハ
学校に行く娘と一緒に家を出て、近所の小さなスーパーでロースハムと30パーセントオフになっている柿を買う。家に戻っておととい買ったバゲットを軽くチンし、少し柔らかくなったのを半割にして、さっき買ったロースハムと明治のカマンベールチーズをちぎって挟む。食べ終わったらパソコンを立ち上げ、来週締切のP誌の原稿1000字弱を書き始める。いつも原稿はパソコンのテキストエディットで書いているのだけれど、noteの下書き機能を使ってこの日記と同じように書いてみる。やはり右上に文字数が表示され
昨日の夜に風呂に入りながら改めて入稿したデータを見ていて、微妙な改行があることに気づき、デザイナーさんに連絡。夜中に返事がきていて、印刷所に聞いてみてくれるとのこと。すでに入稿は終わっているし、もう間に合わない可能性もあるけれど、該当箇所に赤を入れたものを送る。これは校正さんが見落としたわけではなくて、私が赤を入れ忘れただけで、もっときっちり見ておけばよかった、と気持ちが落ち着かない。 とはいえもうほとんど完成しているようなものだし、今度は売るために営業をすべく、とりあえず
朝から訳あって墓参り、まったく知らない人の。そのまま自転車で9時半オープンのバゲット屋さんへ朝食を買いに行く。ハムチーズサンドと板チョコサンドを注文、バゲットの値札に「今の僕のすべてです」と書いてあり、もちろん1本購入。昨日の夜も思ったけれど、11月の中旬とは思えないくらいの暖かさで、乾いた空気と日差しが気持ちいい。大きな公園を通りかかって、画家の狩野岳朗さんがいないかなと目で探す。狩野さんの出没ポイントが近くにあるのだ。数年前の夏に一度、そこで待ち合わせておしゃべりをしたこ
いよいよ入稿日ということでちょっとした緊張感。娘が朝ごはんを食べている横で、今一度原稿をチェックしていると、早速誤植発見。今回、巻末に出版年表を作ったのだけど、そこにこれまで出した日記の日付を載せている。自費出版もあるので、そこはもう校正さんにお願いすることはできず、自分で細かく確認するしかない。自分が過去作をチェックして書き出した日記の日付と、原稿の日付をゆっくり突き合わせていくと、2箇所、3箇所と見つけてしまい、その度にデザイナーさんに何度も原稿を直す作業をしてもらうこと
朝起きてメールをチェックすると、デザイナーさんから表紙のデザインが3パターン届いていてはっきりと目が覚める。すぐに友人数名に転送してどれがいいか質問。今回ほぼデザイナーさんにお任せしたので、どんなものでも受け入れる、と思っていたけれど、素敵なものを作ってもらえて嬉しい。明日が入稿予定日、いよいよ佳境である。 午前中に天然スタジオの撮影1件、砂鉄と編集さんがやってくる。今すばるでやっている連載で、砂鉄の宣材写真を新しくしよう、と話が持ち上がり、私を指名してくれたそう。知り合い
午前中からかんちゃん家へ、一緒に栗の甘露煮を作る。生のクチナシを今日のために手に入れておいたのだけど、本当にこれが黄色くなるのか、と半信半疑で実(花?)を割って水に漬けると、蛍光色のような鮮やかさの色が出て驚く。面白い!かんちゃんとおしゃべりしながら栗をひたすら剥き、クチナシと一緒に柔らかくなるまで茹でて、砂糖を溶かしたシロップでさらに煮て完成。かんちゃんは最近こういう手間のかかる料理がしたいらしく、先月は一緒に柚子胡椒を作った。次はお正月に向けて黒豆とかどうだろう。この家は
超ダッシュで家事を片づけ、午前から午後にかけて2件撮影。偶然にも2組とも10年通ってくれているご家族だった。スタジオを始めてそれくらい経つけれど、こうやって毎年来てくれるお客さんの存在に助けられている。一年に一度会うだけでも、決して弱くはない繋がりを感じる。 家に戻らずそのまま町の中華屋でお昼ご飯。時々こうやって一人で来るのだけれど、13時過ぎの店内はほぼ満席。かろうじて空いていた席に座ると、すぐ隣のテーブル席で五目あんかけ焼きそばを食べていた4人が、ずっっっっっと大きな声
今日は朝から忙しい。家事をダッシュで済ませ、9時に校正さんのところへ再校を持っていく。自転車で往復40分ほど。家に戻ってすぐに近所のスーパーへ。夕飯に誕生日パーティーがあるので手巻き寿司の食材を買いに来た。野菜売り場でアボカドを手始めに、かいわれ大根、季節外れのきゅうりがあまりに高くて手に取れず。ここのスーパーは鮮魚が強く、サーモン、マグロの中落ち、ねぎとろ、ぶり、と片っ端からカゴに入れていく。いくらは事前に買って醤油漬けにしてある。あとは何を巻くと楽しいんだっけ、と検索しな
朝食を食べ、家事をし、昨日の日記をぱーっと書いて、11時に予約していたパーソナルトレーニングへ。いつも午前中に行くと力が出ないのだけど、今日は調子がいい……なぜだろう。うっすら汗をかくくらいみっちり頑張った。あとで考えると、今日は朝ごはんをきっちり食べてきたのだった。何を食べようか迷って、生姜焼き用の豚肉が少しだけ余っていたので、塩胡椒で焼いてキャベツの千切りを添え、炊飯器のご飯を食べ切るべく、残りを全部盛ったのを思い出した。トレーニングを始めて約2年。しっかり食べればちゃん
バタバタしていた日々が過ぎ、特に予定のない1日。いつも通り子どもらが学校へ行ったあと、家事を一通り済ませ、昨日の分の日記書き。すぐに書き終え時間ができたので、気が乗らずに放置していた細々とした雑務を片っ端から済ませていくことに。マンションの更新の書類作業、娘の修学旅行の代金払込、その他郵送関係のもろもろ。普通郵便が110円に値上げされて初めて送る郵便物。小さい頃から手紙というツールが好きだったので、郵便切手には馴染みがあるけれど、40円とか60円の時代が幻のように思える。こう
その日の日記、その日のうちに、というスタンスでやっているのだけれど、あまりに疲れていて書けなかった前日分を撮影前に終わらせるべく、朝からコメダ珈琲の鶏舎のようなボックス席に座り、モーニングを食べながら日記を書く。一時期は意識的に遠ざけていたnoteだけれど、不思議と捗るので、これはなんなんだろう……と思っていた。そもそも日記を書き始めたのもブログが始まりだったということもあり、このスタンス(書いてすぐ出す)に馴染みがある。書いている時に文字数がカウントされて達成感を感じやすい
朝から予定がびっちりな1日。午前中に天然スタジオの出張撮影。七五三シーズン真っ只中ということで、早めに着いた境内を見回すと、出張カメラマンたちの姿が多数。どの人もスーツで身なりをきちんとされていて、基本はカメラ2台持ち(1台は望遠)、機材が入っているであろう小さめのスーツケースを持ち歩いているのですぐにわかる。私はなるべく目立たない色の普段着に、カメラは首から一台、いつものリュック移動で、一般客に紛れられるようにしている。以前撮影したことがある神社だったのでロケハンもすぐに終