清明
清明のベランダに出る
地上4階の高さに浮く
一畳にも満たない箱庭
怖がって片づけられなかった蝉の死骸と
長かった秋の葉が
腰抜けの冬を越してまだ居座っている
春一番も
牡丹雪も
彼らを流し去ることはなかったようだ
地上からは
奏で始まった交響が
重い雲を清浄せんと
麗らかに舞い上がる
巻き込まれた二、三枚の花びらが
過ぎた季節たちの上に吹き寄せて
春の命を報せている
清明の ベランダに落つ 桜花
昨日を吸いて 色や濃くなり
道を行き交うつむじ達は
花びら宛ら
奏でに加わる往来の会話は
流れる筏のようであった
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元気かい?
清明にふさわしいお天気ですね。
時の無情とも思える残酷さと
人間らしさ、人の仕事とも言える忘却や移り気に
春を見ていました。
社会が花筏のように思えました。
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