お茶瞑想

朝夕、食事がわりに煎茶を淹れています。
ひとり静かな生活にやってきた新しい習慣です。
急須から落ちる最後の一滴の音。
その静まりを楽しんでいます。

最近は、思考はあるけれど、その求心力が弱まってきたようで……
お茶を注いでいると、わたしというものはなくて出来事だけが起こっているように見えます。

散じている「存在」が、湯呑に触れる感覚を目印に唇へ集まってくる。
そしてまた離散する。

そうこうしていると、不意に空白がやってきます。
気づいた時には去っているその一瞬……。

お茶とともに入る瞑想は、呼吸等に集中するより易しいようです。


開かるる名状しがたき茶のあひを吹かざる風か音なき音か
──烏有

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