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春の夕暮れ

春、淡い夕暮れにふと
誰の記憶ともなしに懐かしさが過ぎる
誰の、というにはもう世界へ分解されていて
(「わたし」はあまりに粗雑なのです)
かすかな思いだけが
肌をかすめてゆくのでした


ひかり舞ふ森羅の記憶、そよ風のもの思ふらむ春の夕暮れ
──烏有

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