齋藤孝「源氏物語に学ぶ美しい日本語」
・本書は、教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする大学教授で、『声に出して読みたい日本語』(草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり、日本語ブームをつくった著者が、平安時代に紫式部が世に出した『源氏物語 』にちりばめられた美しい日本語を、ストーリーを追いながら学び、現在も使われている言葉、あるいは、そのルーツになった言い回し、そして、改めて見直して使ってみたい教養あふれる「やまとことば」等々を原文からピックアップし、ストーリーとともに解説した1冊。
・「源氏物語」は、恋愛や権力争い、家族関係、ときにはお金、そして何より人生をどう生きるかといった、一つひとつでも十分1冊のテーマになり得ることがすべて詰め込まれた、奇跡の作品、日本の宝と著者は語る。
・本書では、54の「やまとことば」が
◇あらすじ
◇訳文
◇著者(齋藤孝)流物語のポイント
で構成されている。
源氏物語に学ぶ美しい日本語(一部)
1 桐壺〜宮中は嫉妬の嵐〜
あらすじ
高貴な身分ではない桐壺の更衣は、ときの桐壺帝からの寵愛を一身に受けていたため、帝の最初の妃、弘徽殿(こきでんの)の女御たちから激しい嫉妬を受けてきました。そんななか、美しい皇子(光源氏)を生み、ますます格別の扱いを受ける一方、妃たちからの嫉みはより激しくなり、ついに身心ともに衰弱。戻った実家で亡くなりました。このとき、皇子はわずか3歳。
桐壺の死を嘆いていた帝でしたが・・・
※「桐壺」のあらすじの続きは本書をお読みください。
齋藤流物語のポイント
・『源氏物語』は全54帖からなる大作である。その第1巻は次ページに掲載した最初の一文で始まる。流れるような日本語で非常にきれいなので、「桐壺」のあらすじだけでも声に出して読むことを著者は薦めている。
・源氏の実母で、美しいゆえに、さまざまないじめにあい、若くして亡くなった桐壺の更衣。
・一方、将来を案ずる帝が高麗(こま)〈朝鮮王朝)の人相占いに将来を占わせたところ、「帝の相だが、実際にそうなると国が乱れる」と言われ、皇族から臣下に降下させられた源氏。
・母と息子の生と死が交錯するところから嫉妬、権力争い、恋のさや当て、雅やかな慣習、そして美しい色合いに彩られた世界最古の文学作品が始まるのだ。
※著者は、「桐壺」に収録されているさまざまな日本語に注目しているが、その日本語は何か、そして、どのような意味を持つのかについても解説しているが、詳細は本書をご覧ください。
・本書では、「光源氏の恋と成長」「消えゆく光源氏」「光源氏の物語、その後」という3部で構成されており、
3 空蝉 拒絶されるほど燃え上がる恋心
12 須磨 エリートを襲った初めての挫折
27 篝火 一線は決して越えぬ恋
39 夕霧 「鬼」になるもならないも夫次第
42 匂兵部卿 源氏が遺した新たな主人公
50 東屋 最後の三角関係の行く末
など、源氏物語の各章のあらすじ、訳文、著者が語る各章のポイントについて語られたものが合計52の項目に分けて解説した内容となっている。
学生さんは、受験勉強や試験対策、社会人の方は来年(2024年)のNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送の前の復習や日本語の奥深さの学び直しとしてぜひ一度、手に取ってみてはいかがでしょうか?
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