舟木彩乃「『首尾一貫感覚』で心を強くする」
・本書は、10年以上にわたってカウンセラーとしてのべ8000人以上、コンサルタントとして100社を超える企業の相談の経験がある著者が、耐えきれない悲しみや不安、苦悩を乗り越える"魔法の力"として注目されている「首尾一貫感覚」を通じて、理不尽な世の中を生きる"究極のヒント"を見つける1冊。
・本書では、自分の「意識」「捉え方」「視点」などを変えるための大きなヒントとして、「首尾一貫感覚」が紹介されている。
・「首尾一貫感覚」とは、
①把握可能感(自分の置かれている状況や今後の展開できると感じること)
②処理可能感(自分に降りかかるストレスや障害にも対処できると感じること)
③有意味感(自分の人生や自身に起こるどんなことにも意味があると感じること)
の3つの感覚で構成されており、これが高い人は、「自分が生きている人生について「腑に落ちる」という感覚を持っている。
・これらは、「感覚」であり、学術的な理論や学問として理解するよりも、成功体験や自己分析などを通じて、これらの感覚を高めていき、身体全体に染みわたっていくようになることが理想である。
※著者が半世紀前近くも前に着想された「首尾一貫感覚」が現代に必要である理由についても述べているが、詳細は本書をお読みください。
・「首尾一貫感覚」を高めることにより、人生が変わった人たちの具体例が本書で紹介されている。
・そのケースのひとつとして、「母娘のコミュニケーション破綻」がある。
・60代女性のAさんには、大企業で働く20代後半の娘さんというたった一人の家族がいて、別々に住んでいるも、本当は一人暮らしをさせたくなかったとのこと。
・しかし、娘さんは、Aさんの反対を押し切り、「毎週末に必ず電話する「メールの返信をきちんとする」などの条件のもと、一人暮らしをする道を選んだ。
・それから6年間はずっと、娘さんはAさんの約束を守ってきたが、1ヶ月ほどはメールをしても返信がない、きても内容が素っ気ない、電話をしても折り返しがないということが続いたため、混乱状態に陥り、著者のカウンセリングを受けるようになる。
※この後、Aさんのある行動により、娘さんが思わぬ方向に進んでしまう。どうなってしまったのか、「首尾一貫感覚」から見たAさんと娘さんの推察、どうすればよかったのかについての詳細は、本書をお読みください。
・本書は、「【出発点】なぜこんなに「つらい」のかーストレスを生むメカニズム」「【基本のキ】「首尾一貫感覚」とは何かー苦しくても生きられる"魔法の力"」「【実例エピソード】「3つの感覚」で人生が変わるー成功したケーススタディ」「【現場検証】ストレスフルでも前向きな人々ー議員秘書の実態調査」など、合計6章で構成されており、「首尾一貫感覚」の概要ならびにそれを高める方法を通じて、心を強くし、世の中を前向きに生きる術が紹介された内容となっている。
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