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身近な人がメンタル不調になったら…ツレうつ歴4年の私が意識している笑顔の秘訣

はじめまして。
イチカと申します。

緊急事態宣言が出て早1ヶ月。この生活に慣れてきたものの、ふとした時に不安が湧き上がってくることってありませんか?

私はあります。
しかし、私以上にダメージを受けているのが、我が家の夫です。

実は、数年前にうつ病を発症して現在も治療中の夫は、こういった生活の変化にとても敏感です。仕事にも少なからず影響が出ている状況もあいまって、やっと減ってきた薬の量も元通り…。

もちろん、メンタルを病んでしまった本人が一番辛いので、自分自身が心を病まないための情報が多いのも当たり前なのですが、うつ病などになった人がいる数だけ、彼らに寄り添う人もいるのです。
しかし、寄り添う側の人間にはスポットが当たりにくく、情報も少ない。どう接したらいいのか…と悩む方もいるでしょう。私自身もそうでした。

メンタルの不調は突然やってきます。特にこのような状況下では。
そんな今だからこそ、ツレうつ歴4年の私が今までの経験から学んだことが、少しでも役に立つのではないかと思い、今回この企画に参加しました。

夫がうつ病になってから人として学ぶことが本当に多かったのですが、今回はその中でも特に大事だと思った「支える側に知っておいてほしい5つのこと」を紹介します。

メンタル不調の症状は人それぞれなので、ここからの情報がすべての人に当てはまるわけではありませんが、どれか一つでも参考になれば幸いです。

登場人物紹介

私:アニメと漫画が大好き。THE長女気質。謙遜しつつも心の中ではそこまで自分を卑下していない。新卒入社した会社では過労で体調不良となり転職。現在は契約社員としてIT企業勤務。

夫:ポケモンとガンダムが好き。半分は真面目、もう半分は優しさで出来ている。はたから見るとスペックは悪くないのに、内面・外見の自己評価は低め。1社目は肋骨にヒビ、2社目は残業180時間/月でうつ病になり退職。療養の後、現在は3社目で頑張ってるが、まだ薬がないと生活は難しい。うつ病治療中に結婚。

ぷーちゃ:我が家の癒やし系アイドル。色々と大活躍の大事な家族(ディズニーで買ったプーさんのぬいぐるみたち)

①パートナーはちょっと適当でぬけてるくらいが丁度いい

夫はとにかく真面目。仕事でも手を抜かない。なので営業成績は全国でも常に上位です。
しかし、成績が1位でも3位でも夫は、とりあえず落ち込みます。
1位ならいつか追い抜かれるかもしれない未来に、3位なら自分よりできる人がいる事実に。
夫は良い意味でも悪い意味でも真面目で、何に対しても深く考えすぎてしまうので、正直、いちいち一緒に悩んであげてたら共倒れします。実際、私も何度か倒れかけました。
なので私の場合、その時は真剣に聞くけれど、1日後には忘れてもOKと思うようにしています(笑)

冷たく聞こえるかもしれませんが、メンタルが弱っている人を支えるのは想像以上に体力も気力も使うので、パートナーはむしろこのくらい忘れっぽく抜けていたほうが結果としてお互いにとってはいいのではないかと私は思います。

②マイナスな感情を裏返してポジティブに伝える

夫は私からすればなんとも思わないようなことでも、ネガティブに捉えがちです。

たとえば仕事のできる上司が転勤してきたとき、夫は「自分よりできる人が増えた…」と戦々恐々として相談してきました。
しかし、よくよく考えれば上司が自分より仕事ができるのは当たり前(今までの上司のことはとりあえず置いといて…)ですし、むしろ尊敬できる上司から技術や知識を身近で学べるのは幸運なことですよね。

うつ病である夫は、「自分にとってのメリットに気づく」ことが人よりも少し苦手です。
しかし、メリットが理解できないわけではないので、私がさっきの話をしてみると「たしかにそういう考え方もあった」と少し前向きになってくれます。

これを伝える時に大事なのが、なるべく「でも」を使わないこと。
意見をむやみに否定すると信用を失ってしまい、素直に話を聞いてくれなくなる可能性もあるので、私の場合は「え!やったじゃん!」とできるだけ楽しそうに伝えています。

まあ、気にしているだけで、「でも」はよく使ってしまうのですけどね(笑)

③他人の意見や正論は気にしすぎない

真面目な夫は、どちらかと言えば正論などを普通の人より理解していると思います。
他人の意見もよく聞きます。

だから真に受けなくてもいいことを受け止めてしまうのです。
花形の仕事を任された夫を妬み、仕事を邪魔するような先輩社員の意見までも。

その結果が、今のうつ病です。
メンタルを病んでしまう人の多くは、そういう素直でしっかりした人が多いのかも知れないなと私は感じています。

夫における先輩社員のような敵意むき出しのものは、こちらも守りやすいのですが、不意打ちで来るのが家族や友人からの善意の正論や意見です。
実はこれが一番グサッと刺さる場合が多いので、私は家族に「心配だとは思うけど、いまは何も言わないで見守ってほしい」と強く伝えました。

本人は正論なんて嫌というほどわかっているんですよね。
でも、メンタル的に今はできないことも多い。病んだことのない人などはその感覚を完全に理解するのは難しいので、そういう人の意見はいくら正しくても聞かないほうがいいときもあると私は思います。

ただし、私は基本は正論論破マンなので、気をつけてはいるもののたまに夫をズタボロに傷つけます(笑)

④思いやりは押し付けになりがち。寄り添えばそれでいい。

「夫のために」という思いやりからいろいろ頑張っていた時期もありましたが、これが夫の負担になっていました。夫自身も思いやりに対して何も返せないことが辛かったようです(ここでも真面目さが…)。

所詮、思いやりってこちら側の気持ちの問題なので、相手にとってプラスになるとは限らないことを、この4年で思い知りました。

夫に負担がないように、夫の気持ちが晴れるように。
しかし、見返りを求めていないつもりでも、なんだか自分だけ頑張っている気がしたり、見返りがないことにイライラしてしまったり。

だから私は、ただ寄り添っていることにしました。

無理になにかしようとは思わない。自分も無理をしない。
これはどちらかと言えば、自分の気持ちを守るためにやっていることかも知れません。

寄り添う側は普段以上に自分に甘くていい!私はそう思います。

⑤ぬいぐるみを活用してみる

満を持しての登場!ぷーちゃ!

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我が家のぷーちゃたちは私たち夫婦の気持ちの橋渡し役であり、癒やしの存在でもあります。

夫が落ち込んでいるとき、私はぷーちゃたちを連れて夫のところへ行き「今日、夫くんの元気を吸ったのは誰かな〜?」と問いかけます。
するとそのうち一匹が「バレたか!」と逃げ出す。私は追いかけて夫くんに元気を返そうと説得し、ぷーちゃは渋々元気を返す。(ここまで私の一人芝居です(笑))

元気を返してもらった夫はちょっとだけ笑うんです。

メンタルが弱るとすべてを自分のせいだと思いがちなので、元気がないのは本人のせいじゃないと、少しでも思ってもらえることが大事なんですよね。

あと、夫はよく一人でぷーちゃと会話しています。
ぷーちゃは基本ポジティブで難しいことは考えないちょっとワガママな性格なので、夫は自分の中にある僅かなポジティブ人格をぷーちゃにうつしてネガティブな自分と会話をします。
私はそれを見守ったり、ちゃちゃをいれたりするのですが、これが結構自問自答になっていいようです。

ぬいぐるみと話すなんて子供じみているかもしれませんが、対人よりも本音が出やすく自分の考えも整理しやすいのかもしれません。

支える側こそ無理をしない。これに尽きる

おそらく、いま一番つらい時期真っ只中にいる人は、普通の人が想像できないほどきつい思いをされていると思います。

今回書いたことはかなり前向きですが、これは4年経った回復期だからこそ言えることかも知れません。

私と夫は出会って8年、彼がうつ病になって4年、結婚して2年。
本当に辛いこともたくさんありました。

症状が一番ひどい頃、彼は死にたいと言い続けて、無意識に線路に飛び込みそうになっていました。そんな彼に付き添って会社の前まで見送りをしたこともあります。
彼の調子が悪い日は、会社を早退させてもらい様子を見に行くこともありました。
「切のいいところまで辞めないほうがいいのでは?」と私が仕事を続けさせてしまい、結果症状を悪化させたりもしました。
彼の一人暮らしを継続させてしまい、百万円近くあった貯金はゼロに。お金がないことで彼はさらに思いつめました。(これは今も引きずっています…)
正直、今考えれば間違った選択もたくさんしてきました。

しかし、なんだかんだでずっと仲良しですし、今は毎日幸せだなと思いながら過ごしています。

ステイホーム週間は、二人で協力しながらどうぶつの森で島の開拓をしたり、夫の好きなゴーカイジャーを一気観したり(笑)

きっと、私が無理をし続けていたら今の楽しい時間はなかったかもしれません。

今はこんな時代なので、無理をしないようにしても、誰しもどこかしらでしわ寄せがきているでしょう。

だからこそ、寄り添う側こそ無理をしないでほしい。
間違えてもいいんだ、完璧でなくてもいいんだと自分を認めてあげてください。

そして、どうしても無理をしないといけないときや、逆によくできたと思ったときは、甘いものを食べたりして自分にご褒美をあげることも忘れずに。

パートナーだけでなく、自分自身を大切にすることを忘れなければ、きっと未来は良い方向に向かっていくはずです。

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