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私はあなたの不幸を愛している

ずっと心の中にいた人と、ある日突然連絡が取れなくなった。
今は携帯がある時代なので、連絡先さえわかれば、SNSをやっていれば、
さよならをした相手であっても、コミュニケーションを取ろうと思えば取れる。
つまり、連絡先もわからず、SNSをやっていなければ、
まだ出会っていない人、これから出会うこともない人と同じで、要はただの「知らない人」「何の関わりもない人」になる。
今どこにいて何をしているのかわからないだけでなく、生きているのかすら定かでない。
人と人が別れるっていうのは、本当はそういうことなんだなと思う。
今はきっと、一度別れた人間同士が再会しやすくなっていて、昔は今生の別れになることが多かったのでは。

願わくば元気でいてくれと思っていたし、私ができるのはそう祈り、願うことだけだった。
いざその姿を2年ぶりに、写真ではあるけど見た時、何を思って良いかわからなかった。
生きてて良かった、元気そうで良かった、この瞬間だけでも笑っていて良かったということ。
それから、もう違う道を歩んでいて、お互いの知らないことが沢山あるということ。
むやみに思い出すことも、人づてで何かを聞くことも、できればしたくないということ。
怖いと思う反面、また話してみたいということ。

時間が経てば経つほど、忘れられない自分を責めている。
しがみついている自分を否定している。
焦って、先が見えなくて、ほんとうは苦しい。
もう誰のことも本当に好きにはなれないかもしれない。

私は日々をまっすぐに、ひたむきに、生きる。
見返りを求めるような生き方はしたくないけれど、
きっとそうする先に光があると信じて、
せめて、自分を好きでありながら、納得しながら生きたい。

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