『村田エフェンディ滞土録』を読んで

ああ。私はとても悲しい。
国ってなに。戦争って。国なんて。
友だった。
宗教や信じる神は違うけれども、
ひとりの人間として、みんな、友だった。
国のせいじゃない、宗教のせいじゃない
そんなものではない、何かが、
どうしてもそういったものの形をとって
争いをうむ。
どうか、違いを受け入れて。
梨木さんのずっとあるメッセージ。
そうやって、幾度も争いが起こり、
滅亡し、
勝者が残ってきた。
その跡が残る。
そこから人間を感じる。
そう、昔も、今も、同じ。
人間が暮らしていた。
生きていた。
ひとりの人間として。
誰にも知らされることなく
大切な人が死に、大切な友がいて、
生きていた。友よ。

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