過敏性腸症候群(IBS)とは?
過敏性腸症候群( IBS:Irritable Bowel Syndrome)は、腸の機能に問題が生じることで、主に腹痛や不快感、便通の異常(下痢、便秘、またはその両方)を引き起こす疾患です。
しかし、腸自体に明らかな病変や炎症は見られないのが特徴です。
【主な症状】
腹痛や腹部不快感:食後やストレスを感じたときに特に強くなることがあります。
【便通の異常】
下痢型:急な便意や頻繁な下痢。
便秘型:便が硬くなり、出すのが困難。
混合型:下痢と便秘が交互に現れる。
ガスや腹鳴:お腹が張ったり、音が鳴りやすい。
【原因とメカニズム】
IBSの原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
1. ストレスや心理的要因:自律神経の乱れにより、腸の動きが異常になる。
2. 腸内細菌の変化:腸内フローラのバランスが崩れることが影響。
3. 腸の過敏性:腸が刺激に対して過敏に反応する。
4. ホルモンの影響:特に女性では、月経周期と関連することが多い。
【IBSの診断基準】
診断には、ローマIV基準という世界共通のガイドラインが用いられます。以下の条件を満たす場合、IBSが疑われます。
・過去3か月間に、腹痛が月3回以上ある。
・症状が、排便によって改善される。
・症状が便の形状や頻度と関連している。