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精神病と生きる10問10答



1. **発達障害と気分障害の診断を受けた時、どのように感じましたか?それがあなたの人生やアート活動にどのような影響を与えましたか?**

気分障害だと診断を受けた時は、あまり何かを感じる余裕のない状態でした。
仕事が昼夜と続いている日々でしたし、何かを作る事への楽しみなども正直感じられない状態でした。

クリエイターとは言っても所詮は技術屋ですので仕事としての制作に常に追われていた状態で、ビジネスとして動いていた側面が大きく、他の複合的要素も相まって、死ぬ事を選びたい気持ちと、その計画が進行していました。

そして、自分自身が死ぬ事への恐怖もあり、自分の中で考えが情緒を統一する事が出来ずに、俗にいう精神崩壊状態だったと思います。
なので、今現在、どんなふうに感じたか、という事があまり話せない状況でした。

発達障害を診断されたのは入院中に心理検査をした結果でした。
正直、自分自身でも気がついていたので、さほど驚きはしなかったです。
寧ろ、納得というか、自分の取り扱い説明としての要素が一つ増えた感覚でした。

人生に与えた影響は診断によるものではなく、寧ろ病に至るまでの私が生きてきた軌跡であり、根本的な見直しが必要、という状態でした。
今までの生き方では私は潰れてしまう。
そうハッキリとさせるプロセスだったと思います。

アート活動はクリエイションからビジネスを抜いた結果、残ったモノと言えるかも知れません。
ビジネスマンだった私、その上でモノ作りというフィールドで技術屋であった事から、ビジネスを差し引いたら、残ったモノがあり、それをアートと呼び、アーティストになった形なのかも知れません。


2. **日常生活や創作活動において、発達障害と気分障害はどのような困難をもたらしますか?**

日常生活は正直、かなり多くの人の助けを貰いながら、なんとかやっている形です。
訪問看護や訪問介護を受け、役所の福祉課からの支援、主治医からの投薬やアドバイス、発達障害者支援センターからの支援、所有している事業のメンバーからの理解、様々な助けによって、なんとか成立している形です。

それでも、無限とも言える程の至らなさがあり、日常生活には多くの工夫と停滞を必要としています。


3. **これらの障害に対処するために、どのような対策や方法を取り入れていますか?**

まずは徹底的に専門家の力を借りる事に徹しています。
病気の事は主治医に、生活の方法論に関しては担当看護師に、生活環境については本門介護事業者の皆様にお願いしています。
また事業の会計に関する事は会計事務所に、平常時管理は外部の管理者さんにお願いする形式を取り、現場管理に関しても社員に一任しています。

兎も角、多くの人を、特にそれぞれの専門分野で頼る事によって、なんとか生活を支えて貰っている状態です。

これからも、多くの専門家と連携しながら、保険や車両管理など、まだ手をつけていない領域についても専門家の力を借りながら進めていけたら幸いだと考えています。


4. **アート制作があなたのメンタルヘルスにどのような影響を与えていますか?特にポジティブな影響について教えてください。**

ある種のカタルシスは絶対にあると思っています。
内側にある何かを外側に放出する作業である側面は間違いなく存在します。

それ以外には、やはり単純にお客様の手に届いた時に「嬉しい」と感情を味わえるのも、活動している事のメンタルに対する好影響の一面だと思います。


5. **あなたの作品には、これらの障害に関連するテーマやメッセージが含まれていますか?もしあれば、具体的にどのようなものか教えてください。**

正直、含まれていないようにも思いますし、含まれてしまっているのではないか、とも思います。
少なくとも、意図的に込めているつもりはないですね。

私自身が障害を抱えていて、その中で作っているので、少なからず含有されるテーマではあると思うのですが、それはワザワザ込めるものではなく、混じってもいいモノ、くらいに考えています。


6. **精神障害に関する社会の理解や認識に対して、あなたはどのように感じていますか?また、どのように改善できると思いますか?**

基本的に社会に対してあるのは感謝です。
やはり、現在は福祉的側面で最も進歩的かつ先進的な時代である事は間違いなく、そして、日本社会は、その中でもズバ抜けて福祉が充実している国の一つだと思います。

改善、というよりかは、今後、人口動態が悪化の一途を辿る中で、福祉を受ける者のトリアージの必要性が増すので、その圧力には恐怖感を感じています。


7. **アート活動を通じて、同じような障害を持つ人々に伝えたいメッセージや励ましの言葉はありますか?**

特にはないのですが、プロジェクトの中には私と同じような障害を持った人が参加型で収益化も望めるようなアートプロジェクトが存在します。
それが何かの励ましとか、そういったつもりはないのですが、ただ、障害者だって自分で動いてお金を稼ぐって事を自然と出来た方が楽しいなっていう、そういう単純な想いはあります。


8. **資産運用や事業運営という経済的な側面が、精神的な安定にどのように寄与していますか?**

それぞれに別の働きがあるようにも感じていますし、ある意味、同じように働いているようにも感じられていますが、それぞれが独立して機能し、それがそれぞれ精神面に影響を与えている事は確かです。

例えば、事業には私が行動を起こす時の受け皿になってくれるという効果があり、それはとても精神の充実には重要な事でありますが、同時に事業の中の人々とのコミュニケーションや従業員の生活に対する責任などは精神的な圧迫材料になったりします。

また資産運用部は私の資本の増加を引き起こし、それが生活維持のある種の保険のように振る舞ってくれている部分には大きな精神的安定を与えてくれていると思う反面、市場を大きく読み違えれば、今ある安定が消失する不安感も同時に内包しているように思います。


9. **今後のプロジェクトや目標において、あなたの精神障害がどのように影響すると考えていますか?それをどのように活かしていくつもりですか?**

まず、事業に関するプロジェクトに対するコミットメントの低下は避けられないと思っています。今の病状では高いコミットメントでプロジェクトに参加する事も、正直、経営に対するコミットメントを引き上げる事も難しいと考えています。
その為に現在は管理の外注化も行なっている次第ではあります。

また、発達障害の部分に関してはポジティブに、その特性を活かせる部分もあるかと思いますが、その実行には大きなリスクが伴うと考えています。
かなり環境を整備して思考上で何度もシュミレーションをした上で、予想外の結果になる事を受容する覚悟もした上で、抑制薬を減薬、または断薬して、思いっきり仕事をする事も、してみたい気持ちは正直ありますが、今は難しいので、あまり考えないようにしています。


10. 最後に、読者やファンに向けて、あなたのアートや活動を通じて伝えたいことがあれば教えてください。

感謝以外は特にないです。
ファンという言い方はあまり好きではないのですが、協力して下さる方、支えてくださる方、理解してくださる方、見て頂ける方々には感謝しています。

あとは好きに解釈して、楽しんで貰えれば幸いです。

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