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初めてのクラファンプロジェクトを終えて

今日がクラウドファンディングの最終日だ。
これをアイデアとして考えてやろうと動きはじめたのは年明けだったので、かれこれ半年がかりのプロジェクトであった。

多くの方々の理解と協力があって、無事に最終日を迎えることが出来た。
みなさん本当にありがとうございます。

そして実に多くの学びがあった。
私のNoteの読者の中にも、うちのようなクラウドファンディング、Fund raisingなるプロジェクトを考えている人もいるだろう。
自分自身の振り返りも含め、私の学びの一部を書いておきたい。

具体的な目標金額や期間を定めるのであれば、ひとつの区切りとしてそれが達成できるかどうかはどうしてもメインターゲットになってしまう。
お恥ずかしながら、実は目標金額や期間を定めずにやるものもあることをのちに知った。
それは主催者の方針、考え方で決めていい。

お金は少しでも多く集まれば、理想とする活動を実現しやすくなるし、そもそもはそういう主旨で行うものであることは確かだが、
特に、返礼品的なものを考え始めると、どうしても「いかにお金を集めるか」という目線になりがちになってしまう。

とはいえ、協力してくれた人にも何らかのインセンティブがあることは良いことだし、協力の見返りのアイデアを考えるのはなかなか難しかった。

個人的には、3万円パッケージを寄付してくれた人には、私自ら調理場に立って「おもてなしランチ」をふるまうつもりだったが、結果、それは大して魅力がなかったようだ。(苦笑)

もっとも大事にすべきは、なぜこれをやるのかというビジョンだ。

我々の場合、うちは既存の教育制度の外側にいるということから、授業料に消費税がかかることや、子ども達に一切の税金が投入されないこと、学生定期すら買わせてもらえないことなど、うちの生徒たちや、同じような境遇にいる子たちのことを知ってほしいという思いがもっとも重要だった。

またサニーサイド、そこに働く職員、通わせている保護者、生徒たちは、IB教育の知見をもって、ここから次の時代を生きるための新しい学校教育を生み出していくのだという覚悟で取り組んでいることも知ってほしかった。

日本は成熟した社会のはずだ。
いわんや、少子化が深刻な時代に、地域にいるどんな子どもにも手を差し伸べようとするのは、
「やさしさ」や「子どもに対するリスペクト」の話であって、「それがいやなら地元の学校に通いなさい」というのは、時代的にもあまりに古い考えだ。

民間にある多様な教育機会を認めて、
それぞれに成長していくことが、今、苦しんでいる公教育の先生方を救うことにもつながるはずだ。

そんな思いを、学校外のコミュニティーに発信する機会となったことは間違いなかったと思う。
そして、
結論、寄付として協力してくれた人たちのほとんどは、誰も見返り的なものをそもそも期待しておらず、純粋に「そういう子どもたちの力になれば」という思いで協力してくれたことがわかった。

寄付とともにいただいた応援コメントを生徒たちも職員も読んでいた。
中には、私が存じ上げない方、匿名でコメントをくださった方も多くいて、こんな私でも読みながら胸が熱くなった。

世の中まだ捨てたものではない。
やっぱりこういう選択をした子どもたちのことも大切にすべきだと考える大人、日本人は多くいるのだ。
問題は、そういう現状を知らない人がまだまだ多い、それだけだ。

うちは途中で設定を変えたが、多くの賛同者を集めたいのなら、金額は低く設定した方がいい。
高いと、気持ちはあってもプロジェクトそのものに参画出来なくなってしまうからだ。
つまるところ、社会を変えるのは人々の思いであり、お金の力だけではない。

その意味で、後半は私も、参画者の数、応援コメントの数にこだわった。最終的に100を超えるコメントをいただいたが、最初からそういう方針で動いていればもっと集められたと思う。大きな反省点だ。

まとめとしては、お金を集めることに力点を置くクラウドファンディングと、実はそういう形をとりつつも、ビジョンを広めるクラウドファンディングもあるということだ。

話変わって、昨日は、小学部の入学説明会および、授業参観があった。
私からの話では、うちの簡単な歴史や、なぜこういう学校を作ったのか、IB教育が今、日本でどのように広がっているのかというお話しをさせてもらい、続いて学習コーディネーターから探究プログラムの具体的な内容の説明をさせてもらった。

毎年のことではあるが、今年は参加した保護者の方の雰囲気が明らかに違っていた。
今までは、「サニーサイドに興味はあるけれど、公立や一般的な私立学校を選ばないことのデメリットは何か」にかなりこだわる人が多かったが、
今回集まってくれた方々は、公立にあってうちにないものは当然理解した上で、私たちのビジョンや、この学校の存在意義に深く共感したというコメントを下さった方が殆どだった。

「園長先生、良くここまでやられましたね」
「実は僕も昔、始めようとしたことが誰にもわかってもらえなくて苦労したことがあったので、先生の思いに共感しかないんです」・・・
そういう目線でうちの学校を見てくださっていることに驚いたし、嬉しく思った。

やろうとしている方向性は間違っていない、改めてそう感じることが出来た。
だからこの先、もっともっと私たちのビジョン、子どもたちの様子を発信していかなくてはいけない。

世の中が変わりはじめている。

何はともあれ、来週子どもたちに結果報告をするのが楽しみだ。

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