インターナショナルスクールの時代がやってくる②
<前回からの続き>
私の目線で言うと、日本のインターナショナルスクールはいくつかの種類に分かれている。
ひとつは、もともと日本に住む外国人が国に帰ってからも困らないよう、英語を公用語と位置付けて、世界各国に日本人学校があるような感じで、教育を行ってきた歴史のあるインター。
アメリカンインターナショナルスクール、横浜インターナショナルスクールなど、歴史の長い学校は数校あるが、日本人生徒の割合は多くない。
また、ダイバーシティーを重視するそれらの学校は、あえて国籍の割合を決めていたりして、歴史の長い学校になればなるほど、日本人枠で入学することはハードルが高いと言われている。
特に、英語力に関しては、幼稚園レベルでも相当できないと入学できない場合が多い。授業料の相場は東京近郊で、最近だと年間300万を超えてくるものも出てきた。
それらに比べ、後発で出てきているのが、日本人を多く受け入れるインターナショナルスクールだ。
ただし、保護者が期待する英語教育に応えるため、基本は英語イマージョン、イングリッシュオンリーで授業が行われる。
入学のハードル、特に英語力についてのハードルは必ずしも入学時においては高くなく、入ってから身につけていきましょうというスタンスだ。
これらの比較的新しいインターで、IBを導入しているところも増えてきている。これらの学校の授業料の相場は前述のいわゆる歴史の長いインターと比較すると多少割安のようだ。
また、インターナショナルプリスクールと言われる、幼児教育に限定したオールイングリッシュのものも都心部では激増している。
大抵は、ビルの中の部屋を借りているものが多いので、外遊びは近隣の公園を利用したりと、幼児期の生活環境として必ずしも理想的とは言えないが、
その分、駅の近くにあったり、また長時間保育を行っていたりして、都心部のパワーカップルと言われる共働きで比較的所得の高い世帯の親にとっては、利便性や、英語の教育が魅力でニーズがあるらしい。
授業料の相場は大抵は120〜150万程度と言われているが(場所や園によってかなり差がある)、都心部のパワーカップルからしたら通常の保育園に行かせても所得によって授業料が決まるため、いわゆる「普通の保育園」でも月に6-7万かかることになり、それであれば、プラスαを支払ってでも、英語教育や、利便性を選択しようとするパターンが多いらしい。
いずれにしても、インターナショナルスクールの大半は都心部に集中している。可処分所得が都心部の方が高いということは当然だが、やはり英語教育に対する強いニーズがある親、グローバル志向を持つ親も都心部には多いということだろう。
ただ、日本人の親にとって、インターを選択することには悩ましい現状もある。
日本の教育制度とのコンフリクト(反目)だ。
端的に言えば、教育基本法において義務教育段階で認可外教育施設に通うことは御法度となっていること、さらに、日本の大学入試制度に端を発する日本の学校教育コンテンツは、インターが提供するそれとかなり異なるため、親は、「日本式」か「インター式」かの二者択一をせまられるのだ。
その「二者択一」という考え方について私自身はかねてから疑問を感じてきた。
「インターの良さと、日本の教育の良さを足して2で割る形はないのだろうか」
それが私がサニーサイドでこの12年、挑戦し続けてきたプロジェクトだ。
IB教育を、「IB機構の提唱する教育カリキュラム」であると誤解する人は多い。特にIBの初等教育プログラム(PYP)というのは、フレームワークといって、探究的な学び方を進めるための手法や、学校組織のあり方を示したものであり、その教育内容(コンテンツ)は自由に選択出来ることになっている。
よって、サニーサイドのコンテンツは日本の学習指導要領であり、
私の仲の良いニュージーランドのPYP校はニュージーランドのナショナルカリキュラム、またシンガポールのとあるPYP校は場所はシンガポールだけれどもコンテンツは英国式、
などなど、コンテンツを自由に選択し、さらに学ぶ言語も自由に選択出来るようになっているのがIBの特色なのだ。
サニーサイドの使命は、「インター」か「日本式か」ではない、
それを融合した、今までにありそうでなかった学校の形を作っていくことだと自負している。
「サニーサイドはインターナショナルとつけているけれど、オールイングリッシュではないから偽物だ」そう言われたこともある。
前述したように私がインターナショナルと学校名につけたのは、国際的視野を大事にした日本の学校にしたいという願いからであり、
さらには、「海外から生徒がやってくる日本の学校」を作りたいと願ったからであり、
そういう
ニュータイプの学校がサニーサイドであるということをこの機会に改めて強調しておきたい。
次回パート3においては、グローバルな視点でインターがどのように広がっているか、またインターを選択する上において、どういう視点をもつべきかを紹介し、このテーマを完結したいと思う。
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