Vol2.良い面接をデザインするための4つの準備
なぜ書くか
様々な情報が飛び交う現代において重要になる中、日本に住む約1億人にはグローバルでの最新の取り組みやトレンドを学ぶ機会が多くありません。Every Inc.では「HRからパフォーマンスとワクワクを」というビジョンを掲げ、グローバルな取組みやアカデミックな文献から面接に関する歴史、取組み、事例など”日本なら”ではなく、”グローバルスタンダード”な情報を提供しています。
良い面接をデザインするための4つの準備
こんにちは、株式会社Everyの松澤です。
世界の人事の「今」をお届けする”世界のHRから”、このメルマガでは、アカデミックな視点で「面接」というものの構造や特性について解説をしていきます。
皆様の会社では、面接に向けてどのような準備をされていますか?ペルソナ(※)を作ったり、評価シートを作ったり、面接員に向けてトレーニングをしたりと様々な準備をされていると思います。
「良い面接をデザインするためには、4つの準備が必要です」と、UC Berkeleyのビジネススクールで40年教壇に立つCristina教授は述べました。
評価項目のサンプル
上記の様に、評価項目と評価項目のレベル定義というものは、10点、20点、30点と発揮されている行動に明確な違いを設けることによって初めて完成します。日本でよくありがちな以下の例は主観評価によって評価エラーを招いてしまう可能性があることをきちんと認識しておきましょう。
<エラーが起こりやすい評価基準>
上記で評価をするメリットは「楽」であるという事です。即ち、十分な知識・経験・サポートがなかったとしても個人の主観で評価することを良しとしているため、コンフリクトを起こさずに評価することが出来ます。一方で、面接官独自の基準での評価となるため、「ズレ」が生じます。面接官Aでは合格になる人材が、面接官Bでは不合格になるという事が発生します。
このような状況を防ぐには、レベル定義をきちんと設定するほかありませんので、専門家へ依頼をした方が効果的なものとなります。
質問の準備の仕方
さて、ここまで到達できれば次に「質問」を準備していく事になります。以下のプロセスを参考にしてください。
① 見抜きたい能力を定める(例:責任感)
このポジションでは、プロダクトとピープルマネジメントを行ってもらうため「責任感」が求められる
② なぜ必要なのか、どんな場面でその能力が必要なのかを書き出す
顧客からクレームを貰ったとき
プロダクトに障害が発生したとき
上司から突発的な依頼があったとき
困っている部下がいたとき
③ 書き出した場面について「過去に類似した経験がないか」を質問する。
お客様から、最も強くクレームを貰った時はいつのことですか?どんな背景でどんな対処をされたのかを教えてください。
自分が担当しているプロダクトで、重い障害が発生した時の事を教えてください。どんな背景で、どんな対処をされましたか?
自分の役割や目標を超えて、何か取り組まれたことはありますか?何を目的にどんなことをしたのか教えてください。
部下やメンバーとのコミュニケーションは、具体的にどのようなことを心がけていましたか?苦労しているメンバーに対してどのようなことを実践されていたのか教えてください。
その他、評価項目に紐づく質問リストは弊社でご用意していますので、ご興味ありましたらご覧ください。
ここまで準備をしてもCristina教授は「さらに、評価方法について、またどのようにバイアスを避けるかについて、面接官にトレーニングを行う事が必ず必要です」と述べています。
次回はそのバイアスについてふれていきたいと思います。
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<その他参考情報>
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著者:松澤 勝充
神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了し、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事
2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発した3カ月プログラムで、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」としてグローバルスタンダードな人事を学ぶEvery HR Academy (HRBP養成講座)を展開している。
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