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Vol3.面接バイアスは防げるか?

なぜ書くか

様々な情報が飛び交う現代において重要になる中、日本に住む約1億人にはグローバルでの最新の取り組みやトレンドを学ぶ機会が多くありません。Every Inc.では「HRからパフォーマンスとワクワクを」というビジョンを掲げ、グローバルな取組みやアカデミックな文献から面接に関する歴史、事例など”日本なら”ではなく、”グローバルスタンダード”な情報を提供しています。


バイアスは防げるか?

こんにちは、株式会社Everyの松澤です。世界の人事の「今」をお届けする”世界のHRから”、このメルマガでは、アカデミックな視点で「バイアス」というものの構造や特性について解説をしていきます。

人間は何かを判断するときに多くの偏見や心理的背景が働き認知し、その認知に基づいて行動します。飛行機事故があると一時的に利用者が激減する一方で、事故率の高い車の利用率は増えるというような事例もあります(飛行機の事故率は自動車よりも圧倒的に低いにも拘わらずです)。従って、人は時に非合理的な行動をする生き物です。

「面接は出来るだけ高い精度で行いたい」と思うのが自然な欲求だと思います。但し、人間が判断する以上多くのバイアスが働いているという事を私たちは知っておくべきなのです。例えば、面接のシーンで起こりやすいエラーやバイアスは以下の通りです。

  • Stereotype of the ideal candidate(特定のキャラクターに対する固定概念)

  • Order of candidates(候補者の順番)

  • Similarity bias(共通性)

  • Physical attractiveness(外見的な魅力)

  • Negative information(ネガティブな情報)

  • Rating biases(評価におけるバイアス)

  • Snap Judgements(第一印象で評価する)

  • Hypothesis testing(仮説検証)

  • Amount of information(情報の過不足)


「特定のキャラクター」に対する偏見は、例えば体育会の学生は根性がある、という物がそれに該当します。「候補者の順番」とは、1番目の学生は評価が辛くなりがちとか、前後で優秀(またはその逆)な候補者がいた場合により強く影響されること。「共通性」は、面接官と同じバックグラウンドを持つ候補者は甘く評価されやすい、などです。「仮説検証」は、事前の情報によってその後の評価が影響される事を示しており、履歴書や適性検査の結果などが一定のバイアスを生むことが立証されています。

「自分は知っているので大丈夫」と思う方が多いかもしれません。しかし、バイアスは”無意識的”に認知・評価されるからこそバイアスなのです。予め、バイアスとその対処方法をきちんと持って頂く事をお薦めいたします。

例えば、
① 面接中に評価のアテをつけない(面接が終わるまでは評価をつけない)
② 評価項目は、夫々で独立して評価する(責任感とコミュニケーションを同時に評価しない)
③ 「なんとなく」で評価をつけない(評価理由が事実に基づいているかを確認する)
④ つけた評価を見直す(甘くなってないか、辛くなっていないか)
などなど。

最後まで読んで頂き有り難うございました。

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著者:松澤 勝充

神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了し、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事

2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発した3カ月プログラムで、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」としてグローバルスタンダードな人事を学ぶEvery HR Academy (HRBP養成講座)を展開している。


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