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王子様との出会い(2)

私の推しと、アイススケートに行く日。
(物語の続きなので、1から続いてます。)

彼の車で行く予定が修理に時間がかかるので、
結局バスで行くことになった。

バス停で待ち合わせ。
バス停で歩いて行くまで、ドキドキが止まらなかった。

彼は、先にバス停に座っていた。
とても、姿勢が良くて、
私が歩いて行くと、ニコッと笑ってくれた。
それから、バスが車で20分、
何気のない会話をした。

バスに乗ってから、1時間。
会話が無くならないか
少し不安を抱きながら、バスに乗った。

彼の話はとても興味深くて、
お互いのことをたくさん話した。

まず、驚いたのが彼はSNSを全くやらないことだ。
半年前まではやっていたが、今はSNSは消して
自分の人生を充実させるために時間を使っているらしい。

それから、もっとびっくりしたのが、
彼のiPhoneの設定画面が白黒で、
色なしの携帯画面で操作していた。
なぜ、色を消しているのかと聞くと、
色がないと面白みがなくて、携帯を使わなくなるから。
そう教えてくれた。

こんなに面白い生き方をしている21歳がいるのかと思い、
私は、彼の話に夢中になった。
さっきまで不安に思っていた気持ちは
どこか遠くに消えて、あっという間に
アイススケート場についた。

彼がスマートにお会計をしてくれて、
アイススケート靴をもらって、
早速リンクに上がった。

スケートをするのは何年かぶりで、
私は少しよろっとしたら彼が手を差し伸べてくれた。
ずっと繋いでるわけではなく、
私がちゃんと立てるようになると、
手をそっと離してくれた。
ちゃんとした人なんだなとその時思った。

彼は、アイススケートを3、4年習っていたらしく、
うまくてびっくりした。
アイススケート場は子供たちが多くて、
その中、スルスルと通り抜けて、
滑っていく彼の姿、
私の目に映る彼は、王子様だった。

彼のことがもっと知りたいと思ったし、
推しだった彼は、少しずつ
好きな人に変わっていく事に気づいていた。

スケートで2、3時間滑った後、
お昼ご飯を食べにいく事に。

バスだと時間がかかるのでUberを呼んだ。
Uberに乗ると彼は、運転手に
話しかけて、何気のない会話をした。
彼が、とてもフレンドリーで、
一緒にいてとても居心地が良かった。

ご飯屋さんに着くとピザを頼んだ。
二人で半分こして、
パクパクと食べながら、
隣の席に座っていた
小さい子供に話しかけたりして。
夢のような時間を過ごした。

私たちの会話は、とても面白かったと思う。
将来にやりたい夢は?とか、どんな国に行きたい?
これからやりたいことは?どんな時に幸せって感じるの?
一番最初の小さい頃の記憶は?
とか、たくさん質問しあって。

映画の話になって、
彼がジブリのハウルの動く城。知ってる?
そんなことを外国人の彼に聞かれると思ってなかった。
随分昔に見たけど、とても好きな映画だよ
そういうと、映画館で再放送してるから
一緒に見に行こうよ。
次のデートの誘いだった。
こんなに脈アリと思っていなくて、
私は喜んで受け入れた。

ご飯を食べ終わると、
バス停まで送ってくれた。
学校からの帰り道より
少し時間のある帰り道、
いつもとは違う特別な日。

幸せいっぱいの時間だった。
バスを待ってる間。
彼と少し話をした。

彼と目が合う瞬間、
彼の顔が私の口まできて、
気づいた時には、キスされていた。

身長の高い彼が、少し顔を斜めにして、
帰り際に。映画のようなシチュエーション。
現実にもこんなことがあるのかと。

なんの期待もしていなかった私は、
あまりに驚き過ぎて、なんでキスしたの?!
聞いてしまった。

彼は、嫌だった?と聞いてきたので、
私が顔を横に振ると、彼がもう一度。

こんなにロマンチストな人がいるんだと
映画の中のような物語。

バスに乗って、彼に手を振ると
ピースして返してくれた。

バスでの私の心臓は、鼓動が鳴り止まなかった。

続く。。。






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