マッスルバーにはマッスルはいない
“マッスルバー”を知っていますか?
タンクトップを着た"いけ兄"が、”シャカシャカ”とリキュールを作り、
“バキバキ”と割れた腹筋をチラつかせながら、目の前にマッチョがいるバーなんでしょ?
と思うかもしれませんが、そうではないのです。
僕が見た限りですと、僕が思い描くマッチョはそこにはいませんでした。
既にご存知のように、僕は筋肉という存在を愛してやまないのですが、とある数年前に、何か面白いことをやってみたいなぁという動機で、もう一つのビジネスの柱という名目で、インターネットエクスプローラー(検索エンジン)でこう検索しました。
「マッチョバー 名古屋 求人」
現在はマッチョバーがどれだけあるかはわかりませんが、当時は1店舗だけ名古屋にはありました。
勿論、僕は働く前提なので、そのHPをくまなく見ておりましたが、正直何がそこでは言いたいのか、実際の業務的な内容が何がどうとかということがわかりませんでした。
なんか”macho charge”とか、”macho生搾り”とかが書いてあり、まぁ言わんとしている事は何となく分かっておりましたが、具体的な内容がわからないので、実際に店舗に行って確認してみようじゃないのか、
と感じ、その翌日に店舗で面接がありました。
まずは店の辺りからの印象ですが、まぁバーということなんですが、これは全くもってホテルに入っているオーセンティックなバーではなく、どちらかというと街中の大衆居酒屋といった方がいいのでは?という印象でした。
もっと絵柄的にいうと、"カラスが宙を舞っている"というのが相応しい表現でしょうか。
まぁ平たくいうと、汚らしいという具合になります。
と、地図アプリが目的地に着きました、というアナウンスがあるものの、あたりを見回してもそれらしき店がない。
ああ、ここはビルになっていて、ああまさかの地下1階という、何とも下界、いや魔界の匂いを感じましたが、そこに向かって足を動かすわけです。
歩くにつれて、それらしき店が見えてきて、面接時間よりも少し早く到着をしたので、その地下1階にある店を端から端まで観察をしておりました。
(マッスルバー以外にもあと4、5店がありました)
いずれの店もやはり臭いと言いますか、クロムハーツを着けて、気分が高揚してしまっている"いま時の若い男"
が好きそうな店が多いなぁという印象でしたね。
字で例えると、こういう感じでしょうか。
ドクロ、ポイズン、、、💀。(苦笑)
僕にはすごく居心地が悪く感じたし、なんか胸が詰まってくるような体感があって、僕にとってみたらそこはすごく閉鎖的な環境でした。
(歌舞伎町までとなると、それはそれで清々しい、、でも、そうではなかった。)
で、お約束の定刻がやって参りました。
恐る恐る店の扉を開けてみると、なんかすごく狭い店内に"マッチョ風"で、まさに”クロムハーツ”が好きそうな連中でごった煮返しておりました。
「うわ、見たまんまや」
と感じるや否や、でもそこには肝心の”マッチョらしさ”が一寸も感じられなかった。
明るくもない、歓迎する感じもない、熱いわけではない、陽気ではない、
僕が思い描いているマッチョ観とは、程多い境地でした。
で、実際のところもやはり体格も僕よりもだいぶ劣っていましたし、みる人が見れば、デブとマッチョの区別がつきますし、ガリと細マッチョの違いも分かるくらい、とてもじゃないけど酷かったでした。
ようこんなんで、マッチョを謳えますねと本心ではそういうものの、渋々面接のマニュアルを聞いてみることにしました。
まずは、面接という名の3つからなる問診からでした。
1トレーニング歴は?
2好きな筋肉は?
3好きなプロテインは?
ーー
1
⇨にわか野郎ほどに、これを聞かれて腹が立つ事はないほど、この質問には腹が立ちました。
でも、そんな感情を何とか抑制をして、「4年ですと、ソフトに言いました。」
2
⇨この質問も腹が立ちましたが、まぁ試しがてらに難しい筋肉の名称をわざと言ってやりました。彼らからしたら、おそらく大胸筋や少しマニアックだとしても僧帽筋と思っていたかもしれないですけど、
僕はかなりの曲者です。「ローテーターカフです、といってみたものの案の定ポカンとしておりました。」
3
⇨これも彼らは、ホエイプロテインを連想していたと思って僕に聞いたことだと思いますが、僕は2年前に飲んでいたカゼインプロテインと発言してやりました。これは単純に今飲んでいるプロテインと同じプロテインを彼らに教えたくなかったし、にわか君と一緒のプロテインを飲んでいるという絵が素朴に嫌だったからです。
と、問診が終わり、いよいよ業務的な内容に移っていきました。
まずはメニュー名のご紹介がありました。
そこには見慣れた”生搾り”があり、それはレモンサワーをご注文のお客様にレモンをスクイーズするのです、と、、。
スクイーズ、、なんか海外ビルダーみたいなことを一丁前に言ってやがると、少し感動しておりました。
で、また見慣れた”macho charge”
HPをみると明らかですが、やたらマッチョを推しているんですよ。
マッチョとはとか、、
マッチョという生命体とか、、
そんな素晴らしいマッチョたる我々が作るドリンクは、最も崇高なドリンクなのだという理由から自動的にセット料金に予めチャージ料が取るのだそうです。
(30分:●●円という時間というセット料金という形式)
説明を受けながらも、すごい言いようだなぁと思ってしまいました。
で、一番目に引くメニュー名がありました。
“壁ドンサービス”
少し前に流行っていた恋愛ドラマかなんかは知らないけれど、好きなる対象(片想いの誰か)が私に向かって押し寄せてくる
そんなのが、僕の中には壁ドンというイメージですが、説明を聞いてみるとまさにそんな感じでした。
好きなる対象が(マッチョ、でも残念ながらここでは風になっちゃう)、私(お客さん)に向かってこの狭い店内の壁を駆使して押し寄せてくる、いや襲ってくる、
そんな愉快なメニューがあるみたいです。
それもドリンクみたいに可愛い金額ではなくて、意外と値段も高く積もられているのも、このマッチョというものを推しているんだなぁと察知しました。
この上ない筋肉を搭載したこの素晴らしい僕に、壁ドンを未だかつてされたことがあるのかね?
という具合に。
こち亀に出てくる白鳥のようなあんな感じです。
ね、結構痛いでしょ?(苦笑)
説明を受けて60分、いやー長かったわ。
筋分解を逆にさせられるところでしたよ。
最後に、やはり筋肉を愛する身として、この筋肉代行屋 Jが真のマッチョというものに触れてこの記事を終えたいと思います。
「筋肉は道具ではない」
奴らは”にわか”なのかその影響のためなのか筋肉を軽んじていて、筋肉を使ってお金儲けをしようとしている感じがありました。
それも表面的な使い方で、”スクイーズ”とか、”チャージ”とか、”壁ドン”とか、キャッチーな言い回しで筋肉をまさに道具としてしかみていないでしょう。
本気で筋肉をつけている真のマッチョほど、それに黙っているものはいません。
長い時間をかけて、莫大な資金を投下して、筋肉という愛する対象にいかなる時でも身を捧げてきました。
そんな自分の分身となるようなパートナーを安易とお金と引き換えに交換するのか、と。
少しばかりのお小遣い程度のお金を得る代償に筋肉を削られる感じがあります。
「筋肉はお金では買えないよ、」
と、筋肉を発信する身として強く言いたいのです。
筋肉代行屋 J
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