NoCo Hemp Expo レポート
今回は、LABOZERO編集部として、コロラド州デンバーで行われたヘンプを中心としたエキスポに参加して来ました。今年で8周年目を迎えたこの歴史あるイベントには、州知事や大学教授、各ヘンプ業界の名誉ある方々が、スピーカーとして参加されていました。
ヘンプを応用した企業は、思った以上に幅広い印象でした。Tシャツやバッグ、アクセサリー、ヘンプ入りの食物の保管剤、ヘンプ入りの肥料、ヘンプを使用した調味料など興味を引く製品が、多くの企業から出展されていました。中でも興味を引いたのは、ヘンプを材料とした「ヘンプホーム」でした。エキスポに参加した多くの人々が、その技術と斬新なアイディアに魅せられ、メーカーの話に興味津々でした。
今回のエキスポに参加した出展オーナーたちの話では、「マーケットは、カンナビスやCBDとともに拡大している」とのこと。工業向けヘンプが今後さらに市場に広がることを、期待している様子でした。私自身、今回のエキスポに参加してみて、とくに工業向けヘンプに対して、「生活のさまざまな分野への応用が期待できる」と感じました。
ヘンプは欧州で、車の内装に利用されたり、ヘンプハウスの素材であるヘンプクリートに使用されたりと、用途が広がっています。その理由の一つに、生産ラインの多くがカーボンネガティブである点が挙げられます。
ヘンプは、まず栽培時点で多くの二酸化炭素を減らしてくれます。また、ヘンプが育った土壌はふかふかに改善され、炭素や窒素を多く吸収してくれます。さらには、製品化されたヘンプクリートも、二酸化炭素を吸収して留めてくれます。つまり、ヘンプはSDGsな社会を目指すうえで、世界が注目している植物なのです。すでに欧州では、工業分野でさまざまな応用がなされています。アメリカでは工業だけでなく、CBDとともに日用品レベルにも取り入れられている点が、他国に先んじていると感じます。
日本でも、すでに新潟でヘンプクリートの開発が始まっていますが、世界的に見るとまだまだヘンプ後進国です。しかし、日本政府もヘンプ栽培の緩和を予定していて、少しずつですが、その歩を進めています。
今回のエキスポに参加して、アメリカのCBD・ヘンプ産業の多くが、日本でもモデル化可能であると感じました。今後もアメリカの産業動向に着目しつつ、私たちも誌面へとフィードバックしていきたいと思います。
周辺産業の成長も
最近まで自動販売機は、主にスナックやドリンクを買うために利用されていました。今日のアメリカで自動販売機は、大麻、CBDの食品および飲料製品を最適な温度に保つ冷蔵庫として注目されています。大麻茶、CBDソーダおよび大麻ビール、CBDチョコレートといった、腐りやすい大麻食品および飲料の貯蔵・販売によく使用されるようになってきています。このことは、今回の出展でも感じることができました。
さて、無人化が進むアメリカでは、この自動販売機を用いたビジネスモデルが、早くも多くの人の目に留まっています。アメリカでは、スーパーやコンビニ、ガソリンスタンドなど多くの場所で、CBD製品を見つけることができます。精神活性のないCBDは、ウェルネスな生活をするハイクラスな人々の支持も集めていて、日常生活に広く浸透してきています。高性能な冷蔵庫や自動販売機の普及は、それに呼応したものと言えるでしょう。高いレベルのインフラの存在は、他製品への応用や、既存販売機メーカーの進出を促すとも考えられます。世界で気軽にCBD製品を自動販売機で買える日は、意外と近いかもしれません。
20年以上の歴史を持つBovedaの出展も見られました。この会社は、特許取得済みの「2方向湿度制御技術」を用いた湿気パックを主力商品として抱える、リーディングカンパニーです。通常テルペンは、保管またはパッケージングから1週間以内で、花の香り、風味、効果の40%が失われるとされています。しかし、Bovedaオリジナルのテルペンシールドは、毛状突起上に精製水の単層を作成することで、滑らかな香りと煙を長く楽しむことができるといいます。製品自体のクオリティーも大切です。しかし、製品の保管や発送の過程を踏まえたこうした保管技術も、今後は他社との差別化を図る一つの鍵となるでしょう。
トレンドになりつつあるCBDドリンク
アメリカの麻産業で、今最も注目を浴びている製品の一つが、CBD入り炭酸水です。今回出展されていたブランドにはSati(サティ)という言葉が含まれていましたがが、これは「マインドフルネス」を意味します。「ソーダ飲料は身体に悪い」という固定概念を打ち壊し、健康的なソーダの製造に取り組むことこそが、この会社の企業理念のようでした。朝に飲む「ENERGYタイプ」、集中力を高めるため昼に飲む「CLARITYタイプ」、そしてリラックスするため寝る前に飲む「CHILLタイプ」がありました。
世界におけるエナジードリンクの普及には、すさまじいものがあります。その中にあってCBDドリンクには、不眠やストレス緩和など、現代社会が抱える慢性的な問題へのアプローチが期待できます。アメリカでもCBDドリンクは様々なメーカーが製品化しており、日本ではチェリオ社が「CBDX」というブランドを立ち上げ、CBDドリンクに進出しています。今後ドリンク業界は、大きな成長が見込まれる分野です。
今回のエキスポに参加して
今回のエキスポを通じ、ヘンプやCBDといった新産業が、大きなうねりの中心になってきていることを実感しました。製品そのものだけでなく、製品をとりまくあらゆる産業が相互に発展しており、既存企業の進出や変化も窺い知ることができました。
世界経済に新たな刺激を与え続けているヘンプ・CBD産業は、その評価も大きく変化してきています。日本ではまだまだ認知がなされていませんが、民間での評価は年々上昇していることは確かです。
それを知る一つの場として、CBD部さんの活動は大きく寄与されています。今回はCBD部さんのアドベントカレンダーに参加させていただき、当編集部としても非常に光栄でした。
今後もともに、未来あるこの産業を後押しできればと思います。
記事:IAMCBD編集部@Yuta
おまけ:EXPO風景
LABO ZEROはアメリカに本社を置く、日本人が運営する企業です。日本ではCBDのフリーペーパーを年四回発刊しており、アメリカでも増刊号のような形で不定期に発刊しています。そのほかにもCBD製品のOEM製造や、原料卸、製品コンサルティングなどのご相談を承っております。紙面に関するお問い合わせ、原料仕入れ、OEMに関するご相談は以下にお問い合わせください。
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担当:城戸
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