大好きな新選組が題材の物語を書かせてもらいました!〜「幕末レボリューション!」について〜
小さい頃、大河ドラマの「新選組!」を観たのがわたしが新選組を好きになったきっかけでした。
そこからいろいろな漫画やゲームに出てくる新選組に触れて、司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読んで。
日本史の授業が好きになり、教職の道に憧れるほどでした。
いろいろな事情があって大学を出られず、学校の先生になることは叶わなかったのですが……
なんと、作家になって、新選組が題材の物語を執筆し、子どもたちに届けることができました!
びっくりですよね。まさかそんな、奇跡みたいなことがあるのかと。
noteでの紹介が遅れてしまいましたが、昨年9月に「幕末レボリューション!」(集英社みらい文庫)という物語を出版していただきました!
〜あらすじ〜
主人公は中学一年生の凛(りん)。
空手が得意で、周りからはかっこいい系だと思われてるけど、実は恋に憧れがある普通の女の子。ちなみに、歴史の知識はありません。
ある日、道場からの帰り道に虹色の石を拾ってー……
気づいたら、時代劇の中のような街並みに!
パニックになる中出会ったのは、同い年の男の子・桐真(とうま)。
穏やかで優しい桐真は、ある道場への入門を希望していました。
その道場というのは、「天然理心流 試衛館」。
新選組が好きな方なら、名前だけでお分かりですよね。
その道場主の名前は近藤勇。
道場で出会ったのは土方歳三、沖田総司、山南敬介、藤堂平助……
そう、のちに京に行って新選組になる人たちが暮らしている道場だったのです!
歴史上の有名な人たちと会えて、しかもそこで住み込みで働かせてもらうことになった凛。
家族のように仲良くなっていきますが……自分のカバンに入っていた新選組が題材の漫画を読み、数年後に戊辰戦争が起きてほとんどの人たちが死んでしまうと気付きます。
タイムスリップ先で大切な人たちを守りたいと決心する凛の挑戦の行方は……?
ここまでが、昨年9月発売の1巻のあらすじです。
つけていただいたキャッチコピーは、「女子中学生が、新選組を守る!?」です。
男の人に愛され守られるだけじゃなく、自分で戦って、大切な人たちを守っていく強い女の子の姿を描きたいなと思いました。
そして、先日2月22日に、第2巻である
「幕末レボリューション! 坂本龍馬の師匠は、わたし!?」が発売されました✨
ある程度前の巻を読んでもらえない限り、続きを出してもらえないのがエンタメの世界です。なので1巻を読んでくださった皆様に心からの感謝を。ありがとうございます。
2巻には新選組メンバーだけではなく、まさかのあの坂本龍馬の登場です。
1862年ごろ、実際に龍馬は江戸にいたみたいです。
龍馬を出すことは編集さんからのリクエストだったのですが、大河ドラマのように土方さんたちとも出会っていたら面白いよね、と思い書きました。
〜2巻あらすじ〜
試衛館での生活にも慣れてきた凛。
みんな娘や妹のように接してくれるけれど、ただ一人……沖田総司だけは「よそもの」と受け入れてくれないのが悩み。
そんな中、町で絡まれている子どもを得意の空手で助けると、それを見ていた男の人に声をかけられ甘味処へ。
その男の人は、坂本龍馬と名乗り……!?
国を憂い、改革しようと悩んでいる龍馬は、現代の価値観を持ち、女子だけど強い凛に興味を持ったよう。
未来から来たことを隠しつつ日本のことを語り合う二人の会話がお気に入りシーンです!
龍馬の土佐弁は必死に調べながら書いたのですが、とても難しかったです。
高知の方にしっかり監修していただきました。ありがとうございました。
他にも、少しだけ日本刀についてのエピソードが出てきます。
鋼を熱するときに刃の表面に粒々ができる。それがまるで天の川のように見えることもあるのだそう。
このお話は、日野市で有名な新選組ファンが集うお蕎麦屋さん「そば処 ちばい」さんのご主人に伺いました。ありがとうございました!
昨年、日野に新選組についての資料集めに行きました。
日野宿本陣に伺うのは二度目だったのですが、やはりボランティアガイドさんの知識量はすごい……!
休憩時間にもガイドさん同士で新選組のお話をしていたのが印象的でした。
新選組のふるさと歴史館の皆様も、快く迎え入れてくださいました。
日野の街並み、とても好きなんですよね。
坂を登るのは大変でしたが、上から見下ろす街が素敵でした。
「幕末レボリューション!」は、たくさんの方々の協力をいただき、完成した物語です。
歴史ものと言いつつ、歴史が好きじゃない子も楽しめるよう、史実には沿っていますが難しいことは書きませんでした。
かっこいい男の人たちがたくさん出てくるので胸キュンしてもらうのでもいいし、バトルもあるのでハラハラドキドキしてもらうのも嬉しい。
どんな子も楽しく読めるよう意識しながら作った物語です。
また、わたしが子どものころいろいろな作品に触れて彼らのことを知っていったように、幕レボに出てくる新選組が読んでくれた子どもたちにとっての新選組像になる可能性もあるので、なるべくどのキャラも魅力的になるように描こうと意識しています!
実は、発売後に嬉しかったことが二つあって。
一つは、一枚のファンレターをいただいたことです。
「本当は溺愛の本を買いに行ったのですが、お母さんに勉強になるんじゃないかとすすめられて「幕末レボリューション」も買ってもらった。歴史は全く興味ないし知らなかったけど、読んだらおもしろかった」という内容が書かれていました。
買うつもりも興味もなかった本を、ファンレターを書くくらい気に入ってもらえた。
これってすごいことだと思うんです。
どんな人でも読めるように、という目標が叶ったような気がしました。
そして二つ目は、はじめて母に作品を「面白かった」と言ってもらえたことです。
田舎の集落に生まれ、きょうだいも多く、時代や土地柄、中学を出てすぐに働きに出た母。あまり勉強をする機会がなかったせいか活字が苦手で、読書もほとんどしなかったようです。
わたしがデビューしてからも、本は買って目を通してくれてはいたのですが、「恋する図書室」も「花とつぼみと、きみのこと。」も難しいと感じていたようです。
そんな母が、「幕末レボリューション!」は面白いと、続きが読みたいと言ってくれた。
本当に本当に嬉しかったです。
四年かけてやっと、エンターテイメント作品が書けたのだと思いました。
大好きな新選組を描くことができ、そして大切な思い出もできた今作。
1、2巻が発売中です。
雪丸ぬん先生が描く、かっこいい新選組のイラストにも注目です。
図書館や学校図書館にも置いてもらえたら嬉しいなと願っています。
見かけたらぜひお手に取ってみてください。
どうぞよろしくお願いします!
五十嵐美怜(いがらしみさと)
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