【短歌一首】 一両に市井支へる小粋あり荒川線は無二の都電ぞ
こんにちは。
統合カウンセラーの猫間英介です。
短歌は散歩散策セラピー。
先日、北区王子にある飛鳥山公園で桜の開花具合をチェックしたあとに、王子駅から都電荒川線(愛称「東京さくらトラム」)に乗りました。
都電荒川線は東京に残る唯一の都電です。 三ノ輪橋~早稲田間(12.2km・30駅)を運行しています。 飛鳥山公園内の広場には、昔東京都内の多くの場所で走っていた路面電車の車両が置かれており、そのまま公園内の遊具として使われています。
【都電荒川線を運営する東京都交通局のウェブサイト】
私が幼い時には、東京都内のいろいろなところで路面電車が入っていました。発車のときなどに鉦をチンチンと鳴らすので、「チンチン電車」と呼ばれて親しまれていました。 また、バスにも電線から電気の供給を受けながら走る「トロリーバス」というものがあり、路面電車とトロリーバスは玩具や乗り物の絵本などでも子供たちに大人気でした。
今考えてみると、路面電車もトロリーバスも排気ガスを出さない公共機関でガソリン車よりもずっとエコなのですが、1960年代からの自動車の急激な普及(モータリゼーション)の加速ともに、交通渋滞の緩和策としてどんどん廃止される路線が増えました。そして最後に残ったのが都電荒川線です。荒川線は都内で唯一無二の都電。
路面電車では、駅とは呼ばずに、「停留所」と呼んでいます。
この日は王子駅前停留所から三ノ輪橋行きの車両に乗りました。三ノ輪橋には何度から行きましたが、三ノ輪橋停留所とその周辺地域は独特の下町の雰囲気があって大好きです。
終点である三ノ輪橋では、降車するホームと乗車するホームが20mくらい離れています。乗車ホームを発車した車両と入れ替わりに、降車ホームに停車していた車両が乗車ホームに入ります。なお、この降車ホームに隣接している古い喫茶店や料理店がありますが、何十年も前からあまり雰囲気が変わっていないように感じました。三ノ輪橋は相変わらず渋い。
乗車ホームの左手の柵に掲げられている広告のバージョンも昔と同じ。
「ボンカレー」、「キンチョール」、「鳥(たぶん金鳥)」とかが見えますが、この広告のバージョンは、50年以上前のものと同じものと思われます。
ボンカレーの公式サイトでみたところ、1969年頃の広告と同じように見えます。(ここ10年くらいの間に、昔の復刻版が出ているようですので、大塚食品があえて古いバージョンを用いているのでしょう。)
荒川線は周辺の人々の重要な足となっています。王子駅前から三ノ輪橋まで乗ったこの日も、たくさんの人々が乗り降りをしていました。乗っている間もみなさん楽しそうに会話が弾んでいました。(たまたま、親戚間や近所の人たちとのトラブルや相続問題の話が多かった。) ゆったり走る路面電車には、電車やバスとはまた一味ちがった魅力があります。
三ノ輪橋停留所を出て、駅そばのアーケードの商店街に入りました。
商店街の入口付近で傘をたたんでいたら、アーケードの天井付近にあるスピーカーから、ロックの大御所・矢沢永吉さんのチャイナタウン流れてきました。この曲は大好きな曲なので、思わず口ずさんでしまいました。(商店街の人通りがなかったので、結構声を出して歌いました。) さすが、三ノ輪橋、渋くてカッコいい曲流してるな~、などと感心。
閉まっていた店が多かったのですが、揚げ物など中心とした惣菜屋さんはたくさん開いていて、美味しそうな天ぷらや唐揚げが並んで、とても活気がありました。あとで調べてみたら水曜日は商店街の多くの店の定休日となっていました。 ちなみに、商店街の通称は「ジョイフル三の輪商店街」です。
【ジョイフル三の輪商店街のウェブサイト】
雨がかなり強かったこともあり、荒川線にのっているときには窓が曇っていて外の景色はほとんど見えず残念。それでも下町をゆっくりと走り抜けていく荒川線、素晴らしい時間でした。
猫間英介