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【短歌一首】 転倒に気をつけ長寿楽しめるリクガメ今日も仲間と転ぶ
転倒に
気をつけ長寿
楽しめる
リクガメ今日も
仲間と転ぶ
亀の中に「リクガメ」と呼ばれる種類がある。 一般的にリクガメは、甲羅が固くて高く盛り上がっており、手足も太い円柱形で頑丈な作り。陸の上で過ごすことが大半で、水かきはなくあまり水中に入らない。 リクガメは日本には生息していないので、動物園や水族館でまたはペットとして飼育されている。
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上野動物園の両生爬虫類館にいる「アカアシガメ」は南米出身のリクガメ。その名前のとおり赤い足が特徴だが、ここのカメは頭も赤い。アカアシガメの中でも頭の部分も赤いものを「チェリーヘッド」と呼ぶ。アカアシガメは大きいものでは50cmを超えるものもあるが、チェリーヘッドは比較的小型で30cmくらいものもも多い。
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アカアシガメを観察中、彼らはとにかく仲間と一緒によく動き回る。お互いの甲羅の上に乗りあっては転げ落ち、起き上がってはまた仲間の背中に乗ることをひたすら繰り返す。その音がカラカラ、コロコロ、カシャカシャと、館内に響く。
一般的にカメは長寿と言われる。生息環境や飼育環境にもよるが、実際に30年以上生きることも珍しくない。(ちなみに、自宅ベランダに住んでいる二匹のアカミミガメは、現在、23年目の途中。まだ成長中。)ペットとして飼われる亀が飼い主よりも長生きすることもよくあるケース。
そのカメの中でもリクガメは長生きするものが多く、生息・飼育環境によりアカアシガメの寿命もいろいろな説があるが一般的に30年〜40年と言われている。
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その長寿のリクガメであるが、気をつけなければいけないのが「転倒」=ひっくり返ってしまうこと。リクガメは平らな場所でひっくり返ってしまうとなかなか起き上がれず、その状態が長引くと肺が圧迫されて死に至ってしまうことも多いとのこと。
にもかかわらず、ここのアカアシガメたちは全くお構いなしに、楽しそうに仲間たちとひっきりなしに転げ回っている。でも大丈夫なようだ。ケージの中は岩や石で至る所に段差がつけられており、その傾斜を巧み使って、転んでもすぐに起き上がり、また転んでいる。それにしても、そのカラカラ、コロコロ、カシャカシャという音と相まって、本当に元気が良く楽しそうに見える。こちらまでウキウキした気持ちになる。
転倒に注意して長生き、は人間も同じ。亡くなった母も自宅で転倒して入院したことで体調がどんどん悪化してしまい、あれだけ転ばないように気をつけていたのに本当に悔しい、と病院でぼやいていた。
アカアシガメよ、お互い転倒に気をつけながら毎日を楽しく過ごそうぜ。
猫間英介
生き物短歌を集めました。