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【短歌一首】 巳年這ふ大蛇(おろち)のごとく夜の橋まだら光らせ列車過ぎゆく

巳年這ふ
大蛇(おろち)のごとく
夜の橋
まだら光らせ
列車過ぎゆく

日没後、川の橋の上から列車の鉄橋を眺める。
ときおり強く冷たい北風が川面を抜けて吹き、橋の上に立っていると体がかじかんで震えてくる。

川の上の列車の鉄橋

真冬の晴れた日の夕暮れは視界がクリアで、川の鉄橋を渡る列車がよく見える。

列車の灯り

空気がとても乾燥しているので、鉄橋を渡る列車の乾いた轟音がこちらまで鮮明に届く。 列車が橋を渡り終え遠くへ走り去った後も、カタンカタンというリズミカルな音だけがいつまでも残っている。

列車の灯り

列車の灯りは長い光の帯になって、川面を照らしながら流れ去ってゆく。

光の帯

今年は巳年。
列車の長い車両が、まるで胴体のまだらの横紋を光らせ、ものすごいスピードで這い進んでいく大蛇のように見える。

猫間英介



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