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【短歌一首】 半時に数分だけの向ふ岸ここは越されぬ開かずの踏切

半時に
数分だけの
向ふ岸
ここは越されぬ
開かずの踏切

「開かずの踏切」という言葉がある。

「開かずの踏切」とは、電車の運行本数が多い時間帯(通勤、通学利用時間など)において、遮断機が降りて人の歩行が遮断されている時間が1時間あたり40分以上となる踏切のことをいうとのこと。

小田急線(特急ロマンスカー)

「開かずの踏切」は東京など都市部を中心に存在し、交通渋滞や地域分断によって都市活動全般に支障を生じさせている。特に、線路の本数が多く渡き切るまで時間がかかるような踏切でそこが開かずの踏切となると、渡っている途中で線路内に取り残されてしまう危険性もあり、時折痛ましい事故も起きている。

特急ロマンスカー(赤)
普通車

小田急線の新宿から代々木周辺は民家が立ち並ぶ住宅街の中を、軒をかすめるようにして電車が行き交う。 特急、急行、快速、各駅停車などの本数が多く、住宅街に点在する小さな踏切は、開いたと思えばすぐに警報器が鳴り出す。

特急ロマンスカー(シルバーグレー)
特急ロマンスカー(シルバーグレー)
特急ロンマンスカー(青)

井上陽水さんの歌で、「あかずの踏切」(1973年)という曲がある。踏切の向こうに恋人がいるのに、全然開いてくれない踏切でじっと佇んでいる男の気持ちを歌っている。シュールでそれでいてとてもミクロな現実的な覚めた視点を持つユニークな歌。さすが陽水。子供の時に初めて聴いてそれで「開かずの踏切」という言葉を覚えた。


やっと開いた
また列車来る。

国土交通省によると全国に539カ所あり、東京都に288カ所あるらしい。(2024年4月現在)

最も遮断時間が長いのは、京急線品川駅近くの踏切(東京・品川)で58分。 次が京王線明大前駅(同・世田谷)でも57分とのこと。 1時間で2、3分しか開かないということになる。まさに「開かずの踏切」だ。

猫間英介



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