【短歌一首】 春荒れは人寄せつけず江ノ島の薄暮にがらすき電車消えゆく
短歌は天候鑑賞セラピー。
一昨日はせっかく休みを取って江ノ島に行ったのに、午後3時過ぎごろから春先の暴風雨(春荒れ)に見舞われた。 それまではたくさん見かけた外国からの人々も含めた観光客が一気にいなくなった。
傘をさしてがら空きの鵠沼海岸近くを歩いていたら雨足がどんどん強まり暴風雨になり、折り畳み傘がひしゃげそうになった。 観光客にとっては困った天候でも、波乗りをしているサーファーたちに取っては歓迎すべき風なのかもしれない。
雨宿りを兼ねて入った海辺のカフェもがら空き。 接客をしてくれた若い店長らしき人と話していたら、実はサーフィン・ロングボードの日本選手権の優勝者と分かり驚く。雨でがら空きだからこそこんな話も出来た。雨の功名? 雨なら雨を楽しみたい。
昼過ぎまで多くの人で混んでいた江ノ島へ向かう道も、小田急線の片瀬江ノ島駅付近も人影がほとんどなくなった。雨の江ノ島、雨の海沿いもいいんだけどな。
小田急線の片瀬江ノ島駅を出て境川を渡る橋の上も、いつもは観光客でごった返しているのに、全く人影がない。
江ノ島方面から、江ノ電・江ノ島駅とその先にある湘南モノレールの湘南江ノ島駅に通じる商店街は、いつも原宿のように多くの人が歩いている。この日も江ノ島に向かう時には混み合っていたのに、帰る時には全く人けがない。
夕暮れの江ノ島駅に、雨音の中、踏切の遮断機の警報音と江ノ電の車輪がきしめく音だけが響く。観光地感が全くないこの雰囲気も、なかなかいいな。
せっかくの休日、大雨に降られてしまったが、天候を嘆いていても仕方ない。
そのときの天候、そのときの自然を受け入れて、目一杯味わいたい。(もちろん、生命・身体の安全には気をつけながら。)
雨だからこそ、いいこと、美しいこと、たくさんある。
猫間英介
雨を歌った曲は大好きなものが多い。
一昨日、思い出したのは、亡き大瀧詠一さんの「雨のウェンズディ」。
雨の海っていいなあ、と学生のときに思わせてくれた曲。