【短歌一首】 消え去りし動物園のモノレール呼びたるかの日亡き父・母・兄
先日、上野動物園に行ったときに、以前ニュースで知った園内のモノレール運行休止を確認した。
上野動物園の東園と西園を結ぶモノレールは、昭和32年(1957年)、将来の新しい都市交通機関して実験的に建設されたもので、我が国で最初のモノレール。この路線は、動物園の遊戯施設ではなく、鉄道事業法に基づく交通機関として営業していた。
モノレールにはぶら下がる懸垂式と、上にまたがる跨座(こざ)式があるが、上野動物園のモノレールは珍しい懸垂式。懸垂型は空中遊泳しているような乗り心地が素晴らしい。
とても残念なことに車両設備の老朽化などで2019年10月末を以って運行が休止された。現在、後継の乗り物が検討されているとのことだが、懸垂式のモノレールではないようだ。
上野動物園のモノレールといえば、子供の頃に家族で上野動物園を訪れたときに、当時絵本などで知っていた未来の乗り物モノレールに乗れることを、兄と一緒に順番待ちの列で興奮しながら心待ちにしていたことを思い出す。
丘の上にある東園駅の場所は工事中で、外からは様子を確認できず。
父も母も兄もすでにみんな逝ってしまったが、動物園のモノレールを見ていると、初めてモノレールに乗せてもらった時のあの興奮を鮮明に思い出すことができる。
あの頃、興味の向くままに彷徨っていて、よく動物園や遊園地で迷子になって父や母や兄に叱られていた。
猫間英介
上野動物園のモノレールがなくなると、日本ではあと2つ懸垂型のモノレールが残る。神奈川県の湘南モノレールと千葉県の千葉都市モノレール。
【湘南モノレールを詠んだ短歌】