【短歌一首】 夕暮れに雲の山城現れて陽の残り火に蓋を被せん
暑くて長い午後が続く。
毎日、夕暮れ時が訪れると心も体も芯からホッとする。
猛暑日は午後がひたすら長い。空も大気も大地も熱く蒸れて停滞する。
それでも夕暮れが近づいてくると少しずつ停滞していた澱がちぎれ流れ始めて、少し涼しくなり、街全体も安堵しているように見える。
あれほど暑かった南の空も少しづつ暮れていく。
西の空にはまだ熱い太陽の残照が見える。その残り火にフタをするように薄紫色の雲がゆっくりと広がってくる。 雲の輪郭は天空にある山城のようだ。
明日もまた猛暑となるらしい。
また長くて熱い午後を乗り越えて、安らかな夕暮れ時を楽しみにしたい。
猫間英介