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【短歌一首】 夕立にガードの下で雨宿り葉叢のしずく列車に震ふ
夕立に
ガードの下で
雨宿り
葉叢(はむら)のしずく
列車に震ふ
京王電鉄の井の頭線(いのかしらせん)は、東京都渋谷区の渋谷駅から、東京都武蔵野市の吉祥寺駅を結んでいる。
吉祥寺駅の一つ手前の井の頭公園駅は、駅のそばに井の頭公園の入口があり、入口横の休憩所からは木々の隙間から井の頭線の列車が走るのが見える。
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井の頭公園の入口そばの通路を下っていくと、井の頭線が走っている線路のガード下に出ることができる。梅雨末期の霧雨の降る日、ガード下の木々や苔やシダ類が、よりいっそう深い緑の世界を作り出している。
大気は蒸し暑くもあり、どこか冷んやりしているような感じもする。
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井の頭公園駅の下の遊歩道を歩いていると、急に雨が激しくなってきた。雷も聴こえてくる。夕立が接近している。かろうじて木々の葉叢で雨をしのいでいたが、それでもどんどん強くなる雨には対抗できない。傘を背中のリュックから取り出すのが面倒なのでとりあえずガード下まで行って雨宿りをすることにする。
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ガード下を流れる小川は井の頭公園の井の頭池を源泉として流れる神田川。源泉近くなのでまだまだ水の流れは細いが、この流れが次第に大きくなり東京の都心部を横断して最後は浅草橋で隅田川に注ぐ。
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しばらくガード下付近にとどまりながら、列車が往来するのを観察してみる。列車が過ぎるたびにガード下にその音と響きがダイレクトに伝わってくる。駅の直前なのでそれほどスピードは出ていないが、それでもガードの真下でみる列車はかなりの迫力だ。
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列車が通り過ぎるたびに、ガードや周りの木々がその振動で揺れて、雨のしずくが震えたり、下に落ちたりしている。 降り注ぐ雨がより一層緑を濃くして草や水や土の匂いを立ち昇らせて、さらに雨音がどんどん大きくなる。 外の世界から隔離されて緑に支配された世界に一人でいるような気がしてくる。
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夕立の中で、井の頭公園駅、井の頭公園の木々、井の頭線の車両、神田川が織りなす佇まい。 深い緑に包まれてとても安らいだ時間となった。
猫間英介