【短歌一首】 桃紅のコール・ド・バレエにフラミンゴ長き足上げプリマを競ふ
上野動物園のベニフラミンゴの群れは、本当に優雅だ。
上野動物園の西園の両生爬虫類館を出てくると、真っ先に目に飛び込んできたのが美しいピンク色のベニイロフラミンゴの群れ。
ベニイロフラミンゴの色は「桃紅色(とうこうしょく)」と表現されることが多い。桃紅色は、桃の花のようなべに色のことを指す。
桃紅色の羽毛、小さな頭、細くて長い首と足。
大きさは、全長約120-140cm、体重は雄約2.8kg、雌約2.2kg、というから、身長に比して体重が極端に軽い。生息地は、北、中央、南アメリカ。
羽毛はほとんど桃紅色だが、この色はエビやカニなどの甲殻類や藻類などを餌として食べることで維持されるらしい。
細くて長い足も首も全て桃紅色で、その立ち居振る舞いはとても優雅。
ベニイロフラミンゴの群れをしばらく観察していると、クラッシックバレエの「コール・ド・バレエ」を思い出した。コールとは集団の意味で、集団で踊る舞踊(群舞)。ベニイロフラミンゴの集団が舞台で踊っているように見える。
群れから少し距離を置いて単独で行動しているフラミンゴを見ながら、コール・ド・バレエの中での主役バレエダンサー(プリマ、プリンシパル)なのではないかと勝手に想像を膨らませてみる。雌なのか雄なのかは不明だが、もし雌ならプリマドンナ。
この日は確認できなかったが、ベニイロフラミンゴが羽根を大きく広げると内側は黒色であるとのこと。
一般的に、鳥類では、羽の前面を覆っている羽を「雨覆羽(あまおおいばね)」というらしいが、ベニイロフラミンゴの場合これが桃紅色。そして雨覆羽の先や下の羽を「風切羽(かざきりばね)」という飛ぶ時に最も風を受ける大型の羽があるが、ベニイロフラミンゴの場合これが黒色。(初めて知った言葉、「雨覆羽」も「風切羽」もなんという趣ある言葉なのだろう。)
桃紅色の羽を広げるとインナーには黒の羽が見えるのか。早速羽を大きく広げた画像をネットでチェックしてみると、確かに大きく広げた羽の内側が黒い。ピンクと黒のコントラストでどこまでも優雅なベニイロフラミンゴ。
魅力は尽きない。
【羽を大きく広げたベニイロフラミンゴ】
猫間英介