【短歌一首】 コブダイは凸に青き目岩礁をすべすべ顔で雄々しく巡る
新江ノ島水族館(通称:えのすい)で見たコブダイ。
コブダイは、沿岸の海の水中の岩場である岩礁辺りに生息している。貝やエビ、カニなどの甲殻類を好み好に、大きな口と頑丈な歯で硬い殻があるものでも噛み砕いて食べる。
大きさは成長すると100cm〜120cmくらいになり、それ以上にまで成長するものある。 成長したオスの頭には巨大なこぶが出現する。ゆえに「コブダイ」。
こぶは成長したオスの頭に出てくるとのことなので、コブがあるものはどれもオスということなる。 それにしても大きなコブ、大きな青い目、大きな口、のっぺりとしたすべすべ肌の顔のどれをとっても、まるでディズニーのアニメ作品のキャラクターのように見える。
実は、若い時期のコブダイはすべてメスであるとのこと。みな若い時期はメスでその中で頑強で大きい個体の性が転換してオスになり縄張りをつくるそうである。
メスはオスの縄張りの中でオスとともに生きる。オス同士は縄張り争いを繰り広げるが、この戦いを解決する手段として巨大なこぶが役立つらしい。
オス同士の縄張りを巡る争いでは、ぶつかり合ったり、大きなコブでお互いに威嚇し合うが、相手にかなわないと思った方がその場から逃げることで決着するので、大きな怪我を負わずに済む。 コブは強さの象徴であるとともに、無用な戦いを回避することに役立っている。
まさにコブのあるオスのコブダイは、文字どおり「雄々しい」。
しばらくすると、コブダイはしかめっつらに見える表情で岩礁の合間に姿を消していった。
猫間英介
生き物の短歌を集めてみました。
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