【短歌一首】 太陽は雲のうろこに見え隠れクリスマスの午密やかに冴ゆ
12月25日は一日中、太陽が雲に入ったり出たりの曇りがちの晴れ。
最近は快晴となる日が多い中、クリスマスは静かな曇り空。
正午頃の空には、白と灰色のうろこ雲が高い位置に列をなしている。太陽はうろこ雲に隠されている時間が多いが、ときおり雲の隙間から顔を出す。
雲で強い日差しは抑えられて、雲の向こうには太陽の輪郭を肉眼で確認することができる。小学校の授業で濃い色の半透明の下敷きを使って太陽を観察したことを思い出す。
太陽と黒、灰色、白、群青などの雲は、まるで水墨画のような幽玄さを感じさせる。墨には七彩ありと言われ、水墨画には無限の色があるというが、本当にそう思う。墨の濃淡が無限に色を生み出す。
風もほとんどなく、薄日の中をクリスマスの午後が過ぎてゆく。もともとクリスマスは静かに過ごすもの。 しじまの中で、空気だけがどんどん研ぎ澄まされて冴え渡っていく。
猫間英介