【短歌一首】 雲の龍街に降臨銀のひれしきりに振りて雨を走らす
猛暑日が続く。
そして毎日午後になるとまたたく間に黒雲が広がり、その直後に集中的な豪雨を招く。毎日のようにニュースで繰り返される言葉「記録的短時間大雨情報」。
雲はどんどん黒く重くなり、街全体に覆い被さるように降りてくる。まるで雲の神が下界に降臨するかのようにその一部が舞い降りてくる。
雲と下界との距離がどんどん短くなってくる。冷たい突風も吹いてきて、まもなく豪雨の兆し。
いつもは西の空から雨雲が一気に広がってくることが多いが、この日は東の空からも大きな雨雲が押し寄せてきた。これはかなり強い雨になる予感。
いよいよ雨が街全体を叩き始めた。強い風と雨の音から、ベランダにいるのは危険である感じとる。雨に打たれたアスファルトの湿った匂いが風で運ばれてくる。
それまで雨雲とその向こうの空はコントラストを構成していたが、雨の強さに比例して灰色一色となり一体化していく。
雨が滝のように降っている。だんだん街全体の輪郭が霞んで見えなくなってくる。雨音もまるで滝の落下をそばで聞いているような響きとなる。
最近はまるでルーティンのように繰り返される午後の大雨。
本来まれな大雨のときに発表される記録的短時間大雨情報も、今や日本各地で毎日のように発表される。
同じように見える天候急変でも、雲の形や色、風の向きや強さや匂い、雨の音や叩きつけ方は千差万別。
身の安全を最優先にしつつ、できる限り丁寧に天候変化を観察してみよう。
猫間英介
【記録的短時間大雨情報】
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