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【短歌一首】 凍てつきし芝生に己が影遊ぶ朝の公園待ち人来たらず

凍てつきし
芝生に己(おの)が
影遊ぶ
朝の公園
待ち人来たらず

朝一からの業務で家を早く出たのは良かったが、あまりにも早く目的地に着き過ぎた。 業務開始までまだ1時間ちょっとある。

朝の公園

真冬の朝の澄み切った空気が気持ちがいい。しかし、このまま公園で時間を潰すのはあまりにも凍てつきそうだ。 すでに手がかじかんでいて、スマホを取り出す時の指がぎこちない。

己が影

寒空の下、体を温めるために少し公園を歩き回ったが、風がわりと強くてやはり寒い。ふと地面を見ると自分の影が冬の固く冷たい芝生に写っている。
やることがないので、自分の影でも眺めてみるか。

日差しは強い

朝の太陽の輝きには力があり、影は長くくっきりと芝生に写っている。
公園のベンチで鞄から書類を取り出して業務の確認をしようとしたら、急に吹いてきた寒い風に書類が飛ばされそうになり大いに慌てた。

しかし、それにしても、何をやっていても、とにかく寒い。だんだん寒いこと以外に何も考えられなくなってきた。

待ち人は来ない

業務開始の20分くらい前に待ち合わせをしている知り合いはまだ来るはずもなし。それまでには時間があり過ぎる。

さっきすれ違った公園を走っているランナーは、顔に汗をかき体から湯気らしきものが出ていた。 こちらも公園内を早歩きでもして体を温めてみるか。

とにかくヒマ過ぎ、寒過ぎの朝の公園。

猫間英介



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