【短歌一首】 枯葉踏み見返る猫はあずま屋に季の音知らせ角に消えたり
千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館の敷地内には広大な森や庭園があり、美術鑑賞に加えて自然の中を散歩散策できることも大きな魅力。
自然の中に佇む休憩所には、スケッチをしている人、ノートPCで作業をしている人、ゆっくりお茶を飲んでいる人などがいて、ゆったりといい時間が流れる。
森を散歩した後にあずま屋で休憩していると、あずま屋のテラスのデッキを一匹の野良猫が横切り、下の地面へと降りていった。
あずま屋のデッキを降りた猫の後についていくと、猫が下の地面に落ちている枯葉で遊び始めた。
猫が枯葉をいじったり、枯葉を踏み締める音は小さいけれど、シャクシャク、カサカサ、クシャクシャととても心地良い。猫自身もその音が好きなのだろうか、前足で枯葉を叩いたり、ひっくり返したり、後ろ足で踏んづけたりしながらしばらく遊んでいた。
しばらく猫を観察していると、上目遣いでこちらを見返り、あずま屋の裏の茂みへと姿を消していった。
あずや屋を出て美術館の建物に向かっていると、路上に先ほどの猫が座っていた。
長く暑かった夏がようやく終わったと思ったらもう枯葉の季節。もともと猫は寒さに弱いので、猫もつかの間秋を満喫しているのだろうか。猫が枯葉を踏み締める音は秋の深まりを知らせる音。
猫間英介
【DIC川村記念美術館のサイト】
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