【短歌一首】 天然の床暖房にくつろげる猫と吾とに冬の陽優し
今年は急に寒くなった。
寒さが苦手の猫は、今年の急激な温度変化でどうにも落ち着かない。
いつもの年よりも暖かいところをしきりに探してウロウロと家の中を歩く。
外の日差しが強くすっきりと晴れた日は、放射熱が空に抜けていくため気温が低くなることが多い。 家の中で人間も猫もどこかそわそわしてして、冷えを感じていることが多くなる。
そんな時は、人間も猫も家の中に届く冬の日光に当たりながら体を温める。
人間が日溜まりで太陽光を浴びながら寛いでいると必ずと言っていいほど猫もやってくる。床や畳にできる日溜まりに足を踏み入れると、足の裏から暖かさがゆっくりと伝わってきて気持ちいい。
床も畳も太陽の熱を溜めて天然の床暖房となる。
猫はいろいろ場所を吟味した後に、一番気に入った場所にとどまる。しばらく置物のようにじっとしている猫は、陽の暖かさを全身で味わっているように見える。
気に入った場所を決めると、そのうち猫はそこにゴロンと横になる。体を思い切り伸ばして陽の光を目一杯受けようとする。
そのうちに猫は丸くなり眠る。
いつも最初に人間が確保した天然の床暖房を猫に占拠されてしまう。まあそれもいい。 こちらも横になってゆっくりと暖かい日光を味わおう。
猫間英介
生き物の短歌を集めました。