【短歌一首】 駅ビルに相撲の土俵両国は隅々江戸の粋に染まれり
仕事で外出途中、両国駅で降車。
JR総武線はよく利用する路線だが、両国駅はあまり降りたことはない。
ただ、両国には両国国技館があるので、東京で大相撲が開催される時には、電車の窓から力士たちのカラフルなのぼり旗がたくさんたなびいているのを目にする。勝手なイメージとしては両国は両国国技館と大相撲の街。
両国駅の象徴となるのが1929年に建てられて駅舎。現在は駅ホームとしてではなく、両国駅西口に隣接する複合型の駅ビルとして機能している。
大相撲の年間六場所のうち、一月場所(初場所)、五月場所(夏場所)、九月場所(秋場所)は両国国技館で開催される。開催期間中は両国駅西口辺りから国技館までの通路に、各力士の名前が書かれた大きなのぼり旗が林立する。
江戸東京博物館は現在大規模改修中【令和4年4月1日~令和7年度中(予定)】で、この期間は全館休館中とのこと。
江戸東京博物館へ向かう道沿いでは、BBQ DAYSというのぼり旗が立っており、会場内ではお客さんが自分たちでバーベキューをやりながらビールを飲むというイベントの真っ最中で、多くの人たちで賑わっていた。(まだ午後1時くらいなのに、ビールで酔って楽しそうな人たちがたくさんいた。 こちらは喉が渇いているから羨ましい。)
両国駅西口に隣接する旧駅舎は、今は複合型の商業駅ビルとなっている。中は大きな吹き抜けになっていて、休憩所もあり外の暑さを逃れて涼んでいる人たちがいた。
現在はJR東日本都市開発が、「両国・江戸NOREN」として駅ビル全体をマネジメントしている。江戸情緒を活かしたいろいろな飲食店がテナントとして入っている。
旧駅庁舎内、現在の両国・江戸NORENの中央には、実物大の大相撲の土俵がある。やはり両国と言えば大相撲。縦横高さ全てが実物大の土俵を初めて間近に見たが、研ぎ澄まされた様式美を感じる。テレビで観戦する大相撲の熱戦を、頭の中でこのリアルな土俵上に思い描いてみる。土俵下の砂かぶりの席で観戦したらさぞかし圧倒されるだろう。 なお、土俵の直径は4メートル55センチと書かれていた。
駅ビル全体が両国・江戸NORENというだけあって、中央の土俵を取り囲むように江戸の街並みが再現され、そこに焼き鳥屋、ちゃんこ屋、うなぎや、寿司屋、天ぷら屋、うどん屋などのさまざまな飲食店が並んでいる。
両国駅西口を、国技館や旧駅舎とは反対の方向に出てみる。こちらは駅のガード下や狭い路地に、たくさんの飲み屋やちゃんこ料理屋が立ち並んでいる。
大相撲の両国だけあって、路地にも「横綱横丁」の名前が掲げられている。狭い路地の奥まで小さいお店がたくさん並んでいる。
両国駅はJR総武線と東京都の都営地下鉄・大江戸線が通っているが、大江戸線の駅まではJRの駅から300メートル以上歩く。ちなみに、大江戸線の両国駅には「江戸東京博物館前」というカッコ書きある。 近いと思っていると、かなり歩かされる気がする。
これまであまり降りたり、駅周辺を散策したことがない両国。短い時間だったが、いろいろな発見があり楽しむことができた。
今度は仕事の途中ではなく、ゆっくりじっくりと訪れてみたい。
猫間英介