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【短歌一首】 御茶の水ギターの街でアコギ買ひ友と歌ひし中二の真冬
御茶の水
ギターの街で
アコギ買ひ
友と歌ひし
中二の真冬
ギターを始めたのは中学2年生の12月。
当時、いわゆるシンガーソングライターと言われる自分で曲を作り自分で演奏して歌う人たちがたくさん出てきた。 彼らがアコスティックギターを弾きながら歌う姿がとてもカッコ良く思っていた。
中学時代に夜にラジオの人気番組を聴いているとしばしば耳にしたのが、「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」というフレーズ。これは日本のギター総合メーカーのモリダイラ楽器社のギターブランド「モーリス」の広告だった。
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先日、久しぶりにJR御茶の水駅で降りて、御茶の水の街を歩いてみた。御茶の水は大学などの教育機関や出版・教育関連の会社なども多いが、私にとってはなんといっても楽器の街、特にギターの街のイメージが強い。改札口を出てすぐの大通りには楽器屋さんがたくさん軒を並べる。時間があればいつも楽器屋さんに立ち寄って、楽譜を見たり楽器などを見て回る。
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中学二年生の時に、親友とギターを買ってバンドやろうぜみたいな軽いノリで12月の下旬にギターの街、御茶ノ水を訪れた。フォークギター(アコースティックギター:通称アコギ)をいろいろ見て回った。もちろん高い値段のものは最初から除外。二人の予算は各人5千円〜1万5千円(それでも中学生にはなかなかの値段で貯めた小遣いに親からの援助。なお、当時アコギの最高峰は米国マーチン社のD-45 と呼ばれるシリーズで80万円。)
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親友と二人で色々な楽器店を見て回ったのち、黄色いテントで有名な下倉楽器でついにアコギをゲット。お店の人がいろいろなメーカーのギターを弾いてくれて音の違いをアドバイスしてくれたが、当時は全くチンプンカンプン。
結局、親友も自分も、店のお兄さんが強く勧めてくれた「モーリス」ブランドのアコギを1万5千円(ハードケース付き)で購入した。親友と「これでスーパースターも夢じゃない!」とギターを抱えて夜の御茶ノ水駅から帰途についた。
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下倉楽器の黄色いテントも店の構えや雰囲気も、自分が中学2年生の頃とあまり変わっていないような気がした。あれから何十年も経っているのに、このお店の感じ、今でも心と体に強烈にフィットするな。
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御茶の水駅を出て明大通りの坂をずっと(300mほど)下った駿河台下の交差点にきても、角には大きな黒澤楽器店のエレキギター専門店。このあたりは交差点を渡ればもう古書を売っている歴史ある本屋さんが立ち並ぶことで有名な神保町。
それにしても御茶の水の街は、駅から駿河台下の交差点まであまねく楽器店がひしめいている。この街を歩いていると本当にギターが欲しくなる。
中学二年生の12月に親友とバンドを組んで(といってもアコギ2本だけ)で、早速、楽譜もろくに読めないのに、耳コピといくつかの基本的なギターコードと若者向けのギターの歌本を頼りに曲の真似事を始めた。バスケのクラブ活動もそこそこにギター練習に夢中になり、約3ヶ月後に中学校で開催された卒業する3年生を送る会というイベントで、生徒会と話し合って体育館で全校生徒500人くらいの前で2曲披露した。 今思えば怖いもの知らずというか、何も考えていないというか、恥知らずというか。 ただ、その頃の爆発的な行動力、瞬発力、発想力、チャレンジ精神はいつまでも失いたくないものだ。
その後、この時の演奏がたまに昼の給食時間に放送室から流されることがあったが、これを聴かされるのは地獄。テンポはどんどん早くなるし、歌も下手で本当に恥ずかしかった。いつも放送の途中で親友が放送室に飛び込んで行き、放送をやめさせていたことが懐かしく思い出される。
猫間英介
その時に全校生徒の前で歌った2曲は、風の「22才の別れ」と、井上陽水の「心もよう」。
【風 22才の別れ】
【井上陽水 心もよう】