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【短歌一首】 亀見えぬ亀戸天神鯉ばかり吾に寄りては冬を告げたり
亀見えぬ
亀戸天神
鯉ばかり
吾に寄りては
冬を告げたり
東京都江東区にある亀戸天神を通りかがりに訪れた。
亀戸の住宅街の中にある、敷地は小さめながらも天神様(菅原道真公)を祀った古式ゆかしき神社。
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菅原道真公をお祀りする下町の天神さまとして広く知れわたり、昔より多くの人々に親しまれており、初詣、七五三、藤祭り、菊祭り、受験の合格祈願などで参拝客も多い。
天神様を祀った本社である九州太宰府天満宮に対して、東の宰府として1662年に開かれた歴史ある神社。昔、受験の合格祈願で友達と何度も訪れたことがある。
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亀戸天神はその名前にもある通り、池にたくさんの亀が住んでおり、水の中を泳いでいたり、石の上などで重なり合うようにして甲羅干しをしている姿を見ることができる。 亀が好きな自分としては、それも大きな楽しみの一つ。
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しかし、この日はいくら橋の上から池の水面に目を凝らしてみても、亀の姿を確認することは全くできない。 その代わりに鯉が餌をせがみ口をパクパクさせながら近寄ってくることばかり。
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たまに水面が揺れたり、空気の泡が出てきたりすると、いよいよ亀の登場かと期待が膨らむ。 しかし、いつもヌッと現れるのは鯉。そして水面で口を丸く、四角く大きく開けてパクパクさせながらこちらをじっと見ている。
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結局最後まで、池のどこへいっても亀は全く確認できず、しきりに鯉ばかりが寄ってきてはしばらくすると去っていった。
まるで鯉たちに、「もう冬に入り亀たちは水の中や岩の下で冬眠しているよ。だからいくら待っても鯉しかいないよ。」と言われているようだ。
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今年はいつまでも暑くて、一体いつになったら秋らしくなるのだろうと思っていたらもう冬。
家のベランダの衣装ケースで待っている二匹の亀(ともに24歳)は、冬になっても完全に冬眠することはないが、野生の亀たちはもう冬眠の季節。
秋をすっ飛ばして冬は確実にやってきている。
猫間英介
生き物の短歌を集めました。