【短歌一首】 満開を嵐けちらし花いかだ夜の歩道の川面に浮かぶ
短歌は季節セラピー。
ようやく桜が満開を迎えたと思ったら、雨の日が多く続き、4月9日(火)の東京は朝から台風並みの雨と風。「花に嵐」という言葉があるけれど、今年の寒暖差や春嵐はちょっとやり過ぎかも。 桜にとっては本当に困ったこと(と人間は勝手に同情)。
今年はようやく満開になった頃にはすでに新緑も増してきていて、満開と葉桜が
一時期重なっているように見えます。
少し濡れた路面にたくさんの花びらが落ち、それが歩く人に踏まれて路面に塗り込まれたように貼り付いています。この上を歩くときはスリップに要注意です。(実際、何回か滑りそうになった。)
夜桜は花がうっすらと光を放っているようで、どこか妖艶な感じがあります。昔から「夜桜」という言葉があり、夜に桜を眺めて楽しむ日本の慣習は素晴らしいと思います。 朝は台風のような雨風で生温く感じましたが、夜には一転、今度は冷え込んできました。「花冷え」というにはあまりにも寒暖差が大きい。
夜の歩道の桜も、川の水面に浮かんで流れていく「花筏」のように見えてきます。
今や、気候そのものが変動。桜をめぐる季語の見直しや、多くの新しい季語も必要になるかもしれません。
猫間英介