タイムマシンにまつわる、大いなる誤解
タイムマシンに乗って未来に行ったら、未来の自分に会えるーー。
これ、実は誤解なんです。
必ずしも間違いではないのですが、未来に行く技術を実現したとしても、ある条件をクリアしないと、未来の自分には会えないんです。
もちろん、自分がまだ生きている時代に行かないと会えませんが、それだけでなく、もう一つ条件があります。
その条件とは、
過去に戻る技術の実現
です。
タイムマシンで未来に行った人が、もし行きっぱなしで戻れなかったら、その人は未来の自分には会えないことになります。
なぜでしょうか?
たとえば、貴方が2020年9月3日現在からタイムマシンで2030年9月3日に行ったとしましょう。
そのあとで、貴方が次のような行動をとれば、貴方は未来の貴方に会えます。
2030年9月3日に着いたあと、タイムマシンで過去に戻ります。ここは分かりやすく、また2020年9月3日に戻ったとします。
そして、タイムマシンを使わずに(使ってもいいんですが)、2030年9月3日まで過ごせば、その日に2020年9月3日からタイムマシンで過去の貴方がやって来ます。
こうして、2020年から2030年に来た貴方は、2030年9月3日の貴方、つまり“未来の貴方”に会えるわけです。
要するに、タイムマシンで未来に行っても、そのあとで過去に戻るというプロセスがなければ、ただ時間をスキップしているだけなので、どこかの時点で自分がダブることはないのです。
あるいは、いきなり過去に行けば、過去の貴方は、2020年9月3日という未来から来た貴方に会うことになります。これが一番シンプルですね。
ただし、過去に戻るのは、自然界の因果律を乱すことになりうるので、そもそも原理的に不可能だとする説も根強いようです。
そうだとすれば、未来の自分に会うのも原理的に不可能ということになってしまいます。
残念!
写真は、2112年9月3日が誕生日のドラえもん