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ブダペスト覚書はウクライナ問題の核心か?
ロシアによる今回のウクライナ侵攻に関連して話題に上る「ブダペスト覚書」(1994)。
ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナが核拡散防止条約に加盟する代わりに、米英露が安全保障を提供するという内容だそうだ。
ウクライナに侵攻したロシアはこれに違反しているし、ウクライナに派兵しないアメリカやイギリスも違反ということになる。
しかしながら、ブダペスト覚書以前に国連憲章違反のロシアが責められるのは当然だとしても、果たして米英も同罪なのだろうか?
この覚書は冷戦終結直後の平和志向の合意であり、今回のような侵攻を予防・抑制するためのものだ。実際に侵攻が起こってしまっては意味がない。
とくに今回は核保有国ロシアによる侵攻なので、米英が覚書のとおり派兵したら核保有国同士の直接対決となってしまい大変危険だ。
そもそもブダペスト覚書では不十分だからこそ、明確な軍事同盟であるNATOへの加盟をウクライナ政府は目指してきたのではないか。
ブダペスト覚書が平和志向というのは、少々誇張だったかもしれない。
当時のウクライナは旧ソ連から独立したばかりで不安定な状態と見られていたはずだ。
そのような国が核兵器を持っていたら、北朝鮮みたいに危なっかしい存在になりかねないと米英露は不安だったに違いない。それゆえ牙を抜く必要があったわけだ。
あくまで大国の都合による覚書だったのは確かだろう。
だが、当時のエリツィンによる民主化路線から現在のプーチンによる対外強硬路線への変化を無視はできまい。
この変化を無視して覚書のみから責任論を展開するのは無意味である。
写真は、ブダペスト