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読了!カズオイシグロ「わたしを離さないで」

《粗筋》
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度...彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。


《感想》
ひたすらに無慈悲で残酷な話。
爆速で科学が発展していて、遺伝子工学の研究も進んでいると同時に、世の中では倫理観や道徳というのも重視されるようになってきてる今日、色々考えさせられた。

《引用》
「聞いたことをはなすわね。クリシーのことだけど。二回目の提供で使命を終えたって…」(P342)

「私達が作品を持っていったのは、あなた方の魂がそこに見えると思ったからです。言い直しましょうか。臓器提供用クローンのあなた方にも魂が、心が、あることが、そこに見えると思ったからです」(P397)
(2020/11/9)

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