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読了!葵遼太「処女のまま死ぬやつなんていないみんな世の中にやられちまうからな」

《粗筋》
ねーねーねー。高校三年生の朝は、意外な声に遮られた。狸寝入りを決め込む僕に話しかけてきた同級生、白波瀬巳緒。そして、隣の席の、綺麗な声が耳に残る少女、御堂楓。留年し、居場所がないと思った学校のはずなのに、気づけば僕の周りに輪ができていく。胸はまだ、痛む。あの笑顔を思い出す。でも、彼女の歌声が響く。ほんのり温かいユーモアと切なさが心を打つ、最旬青春小説。


《感想》
タイトルがあまりにも重いパンチラインだったから読んでみた。プロローグから可愛すぎて、一気に惹きつけられた。

泣きまくった。なんでだろ、最近は綺麗事とかクサい台詞が深くまで刺さってくる。ロックな青春。甘酸っぱかったり、痛々しかったり、"生"について考えさせられたり、でも全体を通してめちゃくちゃに心が温まる。そんな一冊だった。


《引用》
きっとだれもに、だれかにとっての特別があって、イベントがあって、そうして人は変わっていく。その結果としての現在があり、現在の積み重ねの先に未来がある。(P103)

「ロックンロールに十代を捧げないで、人間になにができるっていうんだ?」(P142)

「冷めたままやるロックほど、ひとをバカにするものはねえよな」
「お前だけがロックじゃねえ」(P202)
(2021/2/12)

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