読了!伊坂幸太郎「ホワイトラビット」
《粗筋》
兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊 SIT を突入させる。軽やかに、鮮やかに。 「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!
《感想》
ごちゃごちゃしていて混乱した。
「オチの気持ち良さ」よりも「理解が追いつかない」のほうが勝ってしまった。
《引用》
「俺たちは、ルールを破る奴は許せないんだ。せっかく自分たちが我慢して、ルールに従っているのに、何でおまえは我慢しないんだ、そのせいで秩序が壊れてしまう、と感じるようにできている。影響の小さいルール破りだろうが、瑣末な反則だろうが、どんなものでも腹が立つ」(P32)
争いの起きにくい環境で、穏やかで優しい人間として子供を育てたら、攻撃性ゼロの穏やかな人間が育つだろう、とやってみたら、実際にはそのようなことはなく、むしろその反対の結果、つまり、ほんの少しの刺激で攻撃的な反応を示す人間になってしまった。という海外での実験の話を黒躍は時折、口にする。(P288)
(2022/2/10)