見出し画像

読了!天祢涼 「希望が死んだ夜に」


《粗筋》
神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生·冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか?二人の刑事が捜査を開始すると、 意外な事実が浮かび上がって一。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。解説·細谷正充。


《感想》
格差社会が生んだ死者。
考えさせられるね。何回も聞いたことある言葉だけど、生まれてくる子供には何の罪もないし、子は親を選べない。今は口だけになってしまうけど、俺は願い続けてる、平和を。


《引用》
初めてバイト代をもらったときはうれしくて、更衣室で始発が動き出すまで何度も何度も封筒からお札を出して数えて、「もっとがんばろう!」と、得体の知れないやる気が込み上げてきた。でも家に帰るなり、ママが「初お給料か。がんばったわね、ネガ」と当たり前のように封筒を手に取った瞬間、やる気が身体から抜け出していくのがわかった。(P131)

俺たちは無力で、春日井のぞみの言うとおり、いまはまだ、なんの希望もないのかもしれない。それでも、誰かの苦境に思いを馳せることができれば…(P303)

(2021/10/21)

いいなと思ったら応援しよう!