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読了!こだま「夫のちんぽが入らない」
《粗筋》
同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた、私。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方は「普通」という呪いに苦しみ続けた女性のいじらしいほど正直な愛と性の物語。
《感想》
再読。
タイトルで読む気が失せたり、読み始めても途中で気分悪いとか不愉快とかって理由で読むのが苦しい人もいると思う。でもそれでも時間がある人は読んでみてほしい。最後の1ページの為に。
俺も目の前の人が考えて、悩み抜いた末に出した決断を、そう生きようとした決意を、それは違うよなんて軽々しく言えない。他人の気持ちは想像すればなんとなく分かるかもしれないけど完全には分からない。
《引用》
子供を産みたいと思ったこともない。我が子を怒鳴りつけ、手を上げる母を見て育ったせいか、私には子を持つ喜びよりも、その煩わしさばかりが目に付いてしまう。決して子供を嫌いなわけではない。(P61)
苦しいことが積み重なると、知らない男の人と会うようになった。知らない男の人からのメールは連日届いた。どの人も私のことなんか何も知らないのに、簡単に「会おう」と言う。かろうじて心がまともに働くときは「あほか」と受信拒否に設定し、翌日の仕事が不安で、いてもたってもいられなくなったときは安定剤を飲むような感覚で「了解です」「いつがいいですか」と何人もの相手に立て続けに返信していった。そうすると、目の前の不安が少しだけ霞む。(P119)
(2022/2/24)