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読了!加藤千恵「アンバランス」


《粗筋》
日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。しかし、夫は性的不能のはずだった。夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは...やるせない心情を繊細に、生々しく描き出す長編小説。


《感想》
一生独身でいたいと思えるような話だった。いつかそれが寂しいなって思うような日がくるのかもしれないけど俺はフワフワしてたい…
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自分では「これだけで十分なのに」って思っていても、世間が認めてくれないんだろうな。
「結婚はしてる?」「子供はいるの?」
「早く孫の顔が見たい」


《引用》
ワンピースがはだけているのがわかる今この瞬間に目を覚ました彼が、この布団をはがし、わたしの行為に気づくところを想像する。とても驚くに違いない。驚きが去ったあとはどうなるのだろう。軽蔑されるなら、そのほうがマシだと思った。軽蔑すればいい。いやらしく、みっともない女だと。けれど多分、自分が不能であることを苦しく思い、軽蔑するどころか、わたしに対しての罪悪感を募らせるに違いない。(P198)

「わたしはセックスがしたいんじゃなくて、子どもが欲しいんだって思ってた。別に性欲もあるわけじゃないし、あなたは優しいし、わたしは幸せなんだって。ただ子どもだけが足りない気でいた。でも、違った。セックスがしたかったんだって、欲情されたかったんだって、気づいた」(P204)

(2022/2/21)

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