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読了!石田衣良「池袋ウエストゲートパークⅩ,PLIDE」


《粗筋》
「四人に六回わたしは犯された。ぼろきれみたいにされて、ワンボックスカーから蹴りだされたのは、練馬の畑のなかだった」。自分をレイプしたワンボックスカーの四人組を探して欲しい。ちぎれた十字架のネックレスをさげた美女はマコトにそう依頼した。レイプ被害にあいながら、力強く再生しようとする彼女の強靭な魂に魅かれていくマコトとタカシ。敵は広域指名手配レイプ団「B13号」。プライドを守る闘いが始まる。大人気IWGPシリーズ第10弾。第一シーズン堂々の完結編。


《感想》
人の為にアツくなるマコトとキング、クッソかっこ良かった。思いっ切り背中押してもらえたし、勇気をもらえた。やっぱり読書は至高…

遊びって言われたらそれまでだし、そんなことは自分でも分かってる。でももう少しだけ俺は浸かる。


《引用》
エコでスタイリッシュな自転車も良いけど、それなりの運動エネルギーには気をつけてくれよ。どんなに気軽な乗り物でも、スピードには責任がつきものだってこと。(P64)

珍獣や野生の驚異に打たれたいなら、世界を旅する必要などない。いつもの街を散歩して、地下へ一階降りるだけでいい。(P127)

池袋駅にもどった。首都高の高架したには、無数のビニールシートハウスがならんでいる。切ないけれど、これも池袋という街を代表する建造物のひとつだ。なにもサンシャインシティだけが、この街の顔のはずがない。おれたちが生きている街には、人の心の色と同じ数の建物がある。(P213)

「マコト、全力でやつらを捜せ。あとはおれが片をつける」タカシがテーブルのうえでにぎりしめた拳が、一瞬で血の気が失せて白くなった。身じろぎもせずに、全力をつかったのだ。おれは氷の王が一瞬で沸騰するのを目撃した。こんな気分のタカシのまえに敵として立つやつの不幸を想像する。(P228)

「好きな人からぎらぎらした目で見られるの、今ではわたしもうれしいもの。悪いのは男の人の欲望でなく、それに負けて性暴力に走るごく少数の犯罪者でしょう」(P248)

「決して見つからないものを、探し続けるのも悪くない人生だと最近は思うようになった。おれたちは生まれたときから愚かで、愚かなまま大人になり、愚かなまま年をとって、愚かに死ぬ。そういうことのすべてが、そう悪くないとな」(P250 byゼロワン)

「最後にひと言。あんたがどれほどきついところで生きているのかはわからない。だが、おれは全力でいう。負けるな、明日は必ずやってくる。つぎのステージで、また会おう」(P273)

(2021/6/5)

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