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読了!川村元気「億男」


《粗筋》
「お金と幸せの答えを教えてあげよう」。宝くじで三億円を当てた図書館司書の一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを訪ねる。だがその直後、九十九が三億円と共に失踪。ソクラテス、ドストエフスキー、福沢諭吉、ビル・ゲイツ。数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まる。


《感想》
むずいって笑
お金とは何か、お金と幸せについて。
「四月になれば彼女は」もそうだったけど、川村元気さんは哲学的観点からも攻めてくる系の作家さんなのかな…?
まあ考えるキッカケにはなったけど、、


《引用》
人間の欲望や快楽というものは、あっという間に周りにいる人間までをも飲み込む。理性や常識など、すぐに追い払われてしまう。(P68)

「この世界ではあたりまえちゃうことのほうがとかく目立つし、良く思われたりするでも勝つためには、あたりまえを見つける目が必要なんや。そして見つけたことをバカにせんと、あたりまえにやる」(P126)

「本物の友情があるはずやのに裏切られることに怯え、本当の恋をしているはずなのに金が目当てやと思うようになる。おかげで友達も恋人もできなくなった」(P134)

「賭けって言葉、印象悪いやろ。でもボクはこの言葉好きなんや。だって何かに賭けるってことは、信用するってことやろ。それって素敵なことやと思うねん」(P137)

「お金があればなんでも解決してしまうということを知ってしまった僕は今、生きていくことに飽きてしまっているんだ」(P225)

(2021/6/20)

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