「いま、給湯器が壊れるとマジでやばい」というタイミングで、給湯器が壊れた話
1月12日朝、
給湯器が壊れた。
それまで特に調子が悪いということもなかったんだけど、まったくお湯が出なくなった。
最初は、まぁ再起動したり、時間がたったり、叩いたりすれば直るだろうと思っていたんだけど、ディスプレイに表示されている「ERROR:200」という文字列を検索してみて凍りついた。
要約すると「200って表示されてたら終了!パーツが壊れてるから、業者しか直せないよ!おめぇには無理!ドンマイ!」と書いてあったのだ。
業者に連絡して、翌日見てもらうことになった。
というわけで、よりにもよって寒さを極める1月の半ばに、お湯が出なくなった。
「お湯が出ないと不便」
そんなの〜常識〜♫と歌いたくもなるが、正直ここまで不便だとは想像していなかった。
手を洗うとか、顔を洗うとか、キッチンで使うとか、すべての水がガチガチに寒いとこんなにテンション下がりまくるとは。
何よりお風呂に入れない。
これのダメージは計り知れなかった。
自分が「風呂好き」と思ったことは一度もなかったけど、そんな自分でもこのダメージ。
風呂がこの国に与えている影響力はとてつもないものだったんだ。
翌日、修理の業者が来て給湯器を見てくれた。
完全に部品が壊れているということで、交換が必要だと言う。
いや、もうどうぞ、遠慮せず交換してください、今すぐにでも。
そこで、業者さんの口から驚くべき言葉が発せられた。
「今、世界的な半導体不足で、取り替えは半年待ちなんです」
真面目な顔で、何を言ってるんですか?
ここは文明国家ですよね、給湯器ひとつが半年も用意できないってことある…?
「昨年の9月に頼んだ方が、3月に届くような状態なので、取り替えは夏頃になると思います。」
つまり2022年の前半、ぜんぶお湯が出ないのか…?
2022年の前半から、お湯という概念が消え去った…?
「合う在庫が無いか探してみますが、難しいと思います」
そう言い残して去っていく業者さんの背中を、呆然と見送った。
あっ!コ、コロナか、コロナだな…!
コロナめぇ…!
そう、今はまさに「給湯器が壊れるとマジでやばい」という最悪のタイミングだったのだ。
さて、どうしたものか。
食事や、洗面台に貯まるくらいの少量のお湯ならケトルで沸かしてなんとかなる。
とにかく、問題はお風呂である。
風呂に入らないと、そもそも無い社会性がマイナスを下回ってしまう。
そんな中、Twitterで給湯器が壊れたことを呟いたら「やかんで熱湯を沸かして風呂を溜めたら?」という声がちらほら寄せられた。
さいわい、うちにはコンロ2口に、電気ケトルもある。
たしかにリレー形式で熱湯を注ぎ込んで行けば、半身浴程度はできるかもしれない。
藁にもすがる思いで、熱湯リレーを始めた。
はい、無理でした。
これは、無理。
10往復くらいして、ちょびちょびの「ぬるい浅瀬」が出来上がってるのを見て、熱湯のみで風呂を貯める作戦はあきらめた。
お湯を溜めても、次の熱湯が来るまでの間にぬるくなってしまうし、絶対的に量が足りない。
最初は「やるぞ!風呂に入るんだ!!」という熱い気持ちで始めた熱湯リレーも、溜まったお湯がぬるくなっていくのに合わせてみるみる熱気が失われていって、「延々と穴を掘って、その穴を埋めさせるという刑罰があるって何かで読んだなぁ」と思い出すくらい気が滅入った。
結局、ちょびちょびの浅瀬に水を足して、人が入れる量までカサ増ししたけど、むしろ体が冷えてしまった。
この方法はダメだ。
近所の銭湯など調べてみるが、昔からある「町の銭湯」が軒並み潰れていることに気づいた。
こんなことでもない限り、銭湯の減少を肌身に感じることもなかっただろう。
思えば、給湯器が故障しなければわからない、たくさんの気づきを得られた。
故障に感謝……、するわけねぇだろ!
とにかく凌ぐしかない。
そこから数日、とりあえずケトルで沸かしたお湯を使って頭を洗うなどする。
友人たちの家に風呂だけ入りにいく「お湯泥棒」も視野に入れないと、などと考えつつ、
これがあと半年つづいたたマジ死ぬ…と思いはじめた矢先、
業者から電話が。
「一個だけ、合う在庫が見つかりました!」
奇跡が、起きた。
「奇跡です!」
あ、業者さん的にも奇跡なんですね。
そして、今、
NEW給湯器、降臨!!!
うおおおおおおおお
服なんか脱いでる暇ねえええええ
うおおおおおおお
お湯だ!お湯だ!
お湯だあああああああ!!!!
給湯器、マジすごい!!!
というわけで、ご心配おかけしました。
みなさん、冬場の給湯器の故障には注意。